ベトナム南部の中心都市ホーチミンは、首都ハノイをしのぐベトナム最大都市。以前はサイゴンと呼ばれ、19世紀フランス統治時代のコロニアル調の建物と近代に建築された高層ビル、アジアの街並みが融合し、文化の多様性を感じることができます。また、街ではノンラーを被った人が露店を営んでる姿や天秤棒を担いだ人を見かけることもあり、どこかノスタルジックな気分を味あわせてくれます。今回は、そんなホーチミンに行く前に知っておきたい基本情報を紹介します。ホーチミンに興味がある方、旅行を検討している方必見です!
ホーチミンの基本情報
近年の経済成長も著しく、街にはバイクと車、人の活気にあふれたパワフルな街。ベトナム戦争時代の歴史に触れることもでき、可愛らしいベトナム雑貨や食器、ベトナム料理を目当てに女子旅としても人気が高くなってきました。ここでは、ホーチミンの基本的な情報と観光スポットを紹介します!
ホーチミンの概要
ホーチミンは、ベトナム社会主義国の南部にあるベトナム最大の経済都市です。面積は、約2,095km²で人口が約930万人(2023年現在)、その人口は年々増加傾向にあります。ベトナムの平均年齢は31歳と若く、街ですれ違うのは若者が多いです。
公用語はベトナム語ですが、観光客が多く訪れるレストラン、観光スポットでは英語が通じる場面も多くあります。通貨は、ベトナムドン(VND)、宗教は仏教が約20%を占めていますがキリスト教(カトリック)やカオダイ教なども信仰されています。
日本からホーチミン最寄りのタンソンニャット空港まで約5~6時間となり、時差は日本時間のマイナス2時間となります。
年間通して暖かい気候で、平均気温が約32度、雨季と乾季の2つの季節になります。ベトナム国内の他の地域と比べると、台風などの天災が少ない地域です。
基本チップ制度はありませんが、気持ちで渡したい場合、ホテルのベルボーイ、ルームサービス、ベッドメイキングスタッフに対しては、1~2万ドン程度。スパ、マッサージは、5~10万ドン程度。スパ、マッサージに関しては、サービス料が込みの場所も多数ありますので、その場合は不要です。
観光する前に抑えておきたいポイント
①観光にベストな時期は11月~4月
ホーチミンは、雨季と乾季があり、雨季と乾季の境目の4~5月が一番暑いです。
雨季の時期(5月~10月)はスコールの心配もありますが、乾季の時期(11月~4月)は雨の心配もなく、雨季に比べると湿度も低いので観光にはベストシーズンでしょう。
また、乾季は朝晩に気温が下がることも多く、羽織るものを1枚持っていくと安心です。
②バイク、車に注意しましょう
ホーチミンといえば、バイクが多いという印象。バイクの3人乗り、4人乗りも見かけます。
信号がない横断歩道もあり、青信号でもバイク、車が走ってくる時もありますので、注意しながら活気ある街並みを楽しみましょう。
③ホーチミンの治安
観光スポットが集中する1区は市内の中でも治安のいいエリアです。ただし、大通りから外れた小道(ヘム)は街灯が少なかったり、迷子になる可能性もあるので、夜間は大通りを中心に行動しましょう。
また、携帯電話、現金はスリの標的にされやすいので注意しましょう。携帯電話はストラップの使用などで防犯対策をしていくと安心です。また貴重品は体に密着するポーチなどを使用し、持ち歩くようにしましょう。
ホーチミンの外せないおすすめ観光スポット
可愛い雑貨や食器、ベトナム料理を目当てに女子旅でも人気となったホーチミン。今回は、その中から特に、初めてホーチミンを訪れる方に行ってみてほしい観光スポットをご紹介!
ホーチミン観光定番、ベンタイン市場 (Chợ Bến Thành)
ベンタイン市場は1区(Quận 1)の中心部にあり、南側には日本人おなじみの高島屋が入るサンゴンセンターのあるレロイ通り(Lê Lợi street)、北側は日本人街と呼ばれるレタントン通り(Lê Thánh Tôn street)に面しており、抜群の立地。敷地内には、2,000件を超えるお店、食堂がある市内最大の市場です。
市場の中には、衣類や日用雑貨、サンダルやポーチ、アオザイ用の生地のお店が並び、早朝には、鮮魚や生肉などを扱ったお店もあり地元市民の台所です。
洋服などのお店が多いですが、食事を出す屋台もありますので、夜のお散歩に立ち寄ってみるのもおすすめです。
ピンクが基調になっているゴシック建築、タンディン教会(Nhà thờ Tân Định)
ホーチミンの有名な教会で、再建設中のサイゴン大聖堂の他に、可愛いピンク色タンディン教会も注目を集まっています。これは19世紀フランス植民地時代にゴシック様式で建設された教会です。白い壁とピンクの屋根で構成され、高い尖塔がそびえ立っているという特徴で、フォトジェニックなスポットとしても有名です。
ホーチミンの目抜き通り、ドンコイ通り(Đồng Khởi street)
サイゴン大聖堂からサイゴン川までの通りがドンコイ通り。ホーチミンの目抜き通りです。通りには、コロニアル建築のマジェスティックホテルやシェラトンなどの観光客に人気なホテルやビンコムセンターやパークソンなど大型ショッピングモールが軒を連ねるファッションストリートです。
また、こじんまりしたお土産屋さんも多く、可愛いポーチやバック、バッチャン焼の食器などを探すこともできます。
西洋人に人気、おしゃれなエリア2区 (Quận 2)
近年、西洋人に人気のエリア2区。おしゃれなカフェ、フレンチやイタリアンレストランなどが軒を連ね、高層ビルが多い1区とは違い、低い建物と緑も多いエリア。隠れ家的な一軒家レストランも多く、ぜひ、おしゃれなランチ、ディナーを楽しんでみてはどうでしょうか?
また、フレンチテイストの雑貨や家具を扱うお店や日本人に人気の食器Amaiの本店、TuHu Ceramicsといった人気食器店もあり、お買い物も楽しめます。
戦争の爪痕が深く残る、クチ・トンネル (Địa đạo Củ Chi)
ホーチミン中心部から約70㎞、車で約2時間のところにクチ・トンネルがあります。ベトナム戦争当時、このエリアは「鉄の三角地帯」と呼ばれ、難攻不落の場所でした。かつて、激戦区だったこの地に約250mにも及ぶ、手掘りのトンネルがつくられ、ベトコンと呼ばれた反米・反サイゴン政権を掲げる南べトナム解放民族戦線が、ここを拠点とし、空爆や枯葉剤を用いる米軍と戦いました。
トンネルは大人一人がやっと通れる狭さで、いくつも枝分かれしており、迷路のようになっています。実際にそのトンネルに入ってみることもできます。
ホーチミン市内からの直接の交通機関がないため、車のチャーターかツアーに参加されることをおすすめします。
ミトー(Mỹ Tho)観光、メコン川クルーズ
ホーチミン中心地より片道1時間の位置にあるミトー市。ミトーの観光で1番人気なのは、メコン川クルーズです。手漕ぎボートに乗り、のんびりメコン川をクルーズ。クチ・トンネルとメコン川クルーズのコンビネーションのツアーもありますので、一緒に楽しんでもらうのもおすすめです。
ベトナムの歴史・食文化
ホーチミンは、かつてサイゴンと呼ばれていました。フランス植民地時代は「東洋のパリ」と呼ばれ、発展しました。ベトナム戦争を経て、1976年に独立。初国家主席のホー・チーミンを記念して、ホーチミンと改称。ちなみに、建国の父ホー・チーミンを親しみを込めて「ホーおじさん」と呼んでいます。名前が変わった現在も観光スポットや各所に「サイゴン」の名前やコロニアル建築の建物を多く見ることができます。
また、ベトナムは古来より中国の影響を強く受けてきたため、ベトナム料理の中にも中華料理の影響が色濃く残っています。5区を中心とするベトナム最大の中華街チョロン(Chợ Lớn)には、50万人もの華僑が住んでおり、ベトナム全土の華僑60~80%が住んでいると言われています。
また、19~20世紀にフランス植民地時代の影響を受け、フランス食文化の影響も多く残っており、バケットやコーヒー、プリンなどが日常食として定着しているのもその点に理由があります。
ホーチミンで食べておきたい定番料理
日本人にも馴染みのあるベトナムを代表する料理には、フォー、バインミー、生春巻きがあります。
①フォー
フォーは、フォー・ボー(牛)とフォー・ガー(鶏)があり、一般的にはフォー・ボーが有名です。
南部のフォーは、北部に比べ、スープが甘いと言われており、お好みのハーブをちぎって入れ、一緒に食すのがベトナム風の食べ方です。ぜひ、本場の食べ方でトライしてみてください。
②バインミー
ベトナムのバインミーには、米粉、タピオカ粉が入っているため、通常のバケットよりも軽く、ふわっとしています。パテ、野菜、ハム、パクチーなどを挟んであるベトナム定番のサンドウィッチ。通常のバケットより柔らかいので子供でも食べやすいです。外はカリッ、中は柔らかいバインミーをご賞味あれ。
③生春巻き
日本のアジア料理店のメニューに必ずあるといっても過言ではない生春巻き。本場の生春巻きは、日本で食べるよりハーブが多く使われていて、ピーナッツソースにディップして食べます。ぜひ、本場の生春巻きの味を味わってみてください。
ベトナムコーヒー
フランス植民地時代の影響で普及したコーヒー。牛乳は高く、当時のベトナム人にとって簡単に手に入る物ではなく、その代用としてコンデンスミルクが使用されていました。現在もベトナムコーヒーにはコンデンスミルクが使われ、濃いめのコーヒーにコンデンスミルクの甘さが癖になります。また1杯ずつドリップできるベトナムコーヒードリッパーはお土産としても人気です。
近代とアジアの古き良き街並みが融合するホーチミンを満喫しよう
今回は、ベトナム最大の商業都市ホーチミンを紹介しました。
1年を通して温暖な気候で、雨季と乾季の2つの季節を持っており、雨季の時期にはスコールの心配もあるので観光に行く時期に気を付けましょう。
市内には、たくさんの観光、お買い物スポットがあり、少し足を伸ばせば、ベトナム戦争時代の歴史を知ることのできるクチ・トンネルもあります。
フランス統治時代のコロニアル建築と近代建築が融合した街は、歴史を肌で感じることができ、ショッピング、グルメ、街歩き、夜遊びなど多彩なニーズに応えれくれます。
活気あふれるエキゾチックな街“ホーチミン”、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
基本情報
国名 | ベトナム社会主義共和国 |
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地域 | ホーチミン市 |
通貨 | ベトナムドン(VND) |
両替 | 空港、ホテル、市内両替所で可能 |
言語 | ベトナム語(場合によっては英語も) |
面積 | 約2,095km² |
人口 | 約930万人(2023年度) |
宗教 | 仏教・キリスト教・カオダイ教など |
空港 | タンソンニャット国際空港 |
時差 | 日本時間マイナス2時間 |
フライト時間 | 日本から直行便で約6時間 |
平均気温 | 年間通して、平均気温約32度5~10月が雨季11月~4月が乾季 |
チップ制度 | チップの習慣がないので、基本不要 |
電圧、プラグ | 電圧は、220V。Cタイププラグ。念のため、マルチプラグを持参されることをお勧めします。変圧器を必要とする電化製品をお持ちの場合は、変圧器を忘れずに。 |