「せっかくのダナン旅行、観光だけじゃもったいない」、そう思ったあなたへ。この記事では、ダナン在住の日本人女性スタッフが実際に足を運び、「ひとりでも安心して楽しめた」「また行きたい」と感じたローカルスポットだけを厳選してご紹介します。
朝・昼・夜の時間帯に分けて、自分のペースで楽しめるモデルプランを組み立てました。地元の人が日常的に通う屋台や食堂、心ほどける自然の風景、やさしい空気が流れるカフェなど、観光地ではなかなか出会えない、素朴であたたかな体験がここにはあります。
ひとり旅だからこそ味わえる「ダナンの日常」を、ちょっとの勇気とともにのぞいてみませんか?
目次
【朝】静かな始まりとローカル朝ごはん
旅先で一日をどう始めるかで、その日の気分は大きく変わります。せっかくなら、観光地の喧騒を離れて、地元の人たちと同じように朝を迎えてみませんか?早起きして向かうビーチでは、静かに昇る朝日と、自然体で過ごす人々の姿に心がすっとほどけていきます。その後に楽しむのは、地元で人気の“ディップ式”バインミー。観光客にはあまり知られていない、ローカルならではの朝の楽しみ方です。
ミーケービーチで朝日を見る
朝5時〜5時半頃、ダナンのミーケービーチでは、乾季であればほぼ毎日、美しい朝日を見ることができます。東の水平線からゆっくりと昇る太陽を眺めながら海風の中で深呼吸をすると、心がすっと落ち着いて、静かに一日が始まる感覚を味わえます。
私はもともと夕日が好きなのですが、ダナンは東海岸。だから自然と朝日を見に行くようになりました。でもそれが本当に美しくて、いつの間にか朝焼けの時間が一番好きになっていました。運が良ければ、空が一面ピンク色に染まる幻想的な光景に出会えることもあります。
観光客の姿はまばらで、ジョギングや体操をする地元の人たちが自然体で過ごしています。静けさの中にも活気があり、ほどよいにぎわいが心地よく感じられます。体操しているおばちゃんたちの輪にまざるのもOKらしく、私もいつか挑戦してみたいと思っています。
若い人たちはSUPや水泳を楽しんでいて、早朝のビーチにはそれぞれの朝の過ごし方がゆるやかに混ざり合い、なんとも言えない穏やかな雰囲気が広がっています。
何度も通う超ローカル朝食の名店
ダナンの朝は、街を歩くだけで路上に屋台が並び、気軽に朝ごはんを楽しめるのが魅力です。バインミーやフォー、ミークアンなど、どれも手早く食べられて、旅人にとってもうれしいものばかり。
そんな中で私が特におすすめしたいのが、「Bánh Mì Chấm Pate(バイン・ミー・チャム・パテ)」という、ローカルの朝食専門店です。
場所はダナン大聖堂から車で5分ほど。店内は朝から地元の人たちでにぎわっています。料理はいたってシンプル。カリッと焼かれたバゲットと一緒に、パテ、煮込んだ肉、ハム、ウズラの卵が盛られた小皿が運ばれてきます。
ほんのり甘めのソースにパンを浸して食べるスタイルで、これが本当にクセになるおいしさ。1セット1.6万vnd(約90円)という驚きの安さで、味・ボリューム・値段のバランスがちょうどよく、朝ごはんにぴったりです。
【午前】暮らしにふれる街歩きタイム
ダナンの朝は、涼しくて過ごしやすい時間帯。街を歩きながらローカルな通りや屋台をのぞいてみると、思いがけない出会いや小さな発見が待っています。
ファッションや雑貨の買い物を楽しんだり、南国ならではのフルーツに挑戦したりと、ひとりでも気軽に楽しめる「ダナンの朝の過ごし方」をご紹介します。
現地女子に混ざってローカルファッションをチェック!
午前中の、まだ暑くなりすぎない時間帯は、街歩きをしながらローカルショップをのぞくのにぴったりです。ダナンには実はアパレルや雑貨のお店がたくさんあり、なかでもおすすめなのが、Phan Chau Trinh(ファンチャウチン)通り。
ドラゴンブリッジから徒歩10分ほどの距離にあり、このエリア一帯には洋服、靴、バッグ、小物など、ジャンルの異なるショップが立ち並んでいます。ベトナムは物価が日本の2分の1〜3分の1ほどと言われており、洋服も日本よりずっとリーズナブル。
しかも、ベトナム人女性はファッション感度が高く、店頭にはトレンドを取り入れたアイテムが多く並んでいます。私自身も服を買うときはこの通りをよく歩いていて、実際に地元の若者や女性たちも多く訪れるエリアです。
ひとりでもふらっと入りやすい、個人経営の小さなお店が多いのも魅力。ローカルの空気を感じながら、気負わずショッピングを楽しめます。
道端で出会う、南国フルーツの楽しみ方
朝の涼しい時間にダナンの街を歩いていると、道端の屋台や市場で、カラフルな南国フルーツが目に留まります。マンゴー、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、マンゴスチンなど、日本ではあまり見かけない種類がずらりと並び、彩りも豊かで、つい試してみたくなります。
価格も魅力的で、たとえば旬のマンゴスチンは1kgあたり5万vnd(約280円)ほど。買い方も簡単で、フルーツを手に取り「いくら?」と聞けば、kg単位の価格を教えてくれます。「200g」「半分だけ」などと伝えれば、その量に応じて販売してくれるのも気軽でうれしいポイント。
カット済みのものはあまり多くありませんが、スーパーや雑貨店で1万VND以下のナイフを買えば、自分で切って楽しむこともできます。ホテルの冷蔵庫で冷やしておけば、甘くてジューシーな果汁が体に染みわたり、朝にぴったりのご褒美になります。
【昼】ローカルランチに挑戦
午前中をゆったり過ごしたあとは、そろそろお腹がすいてくる時間。せっかくなら、ダナンの日常を感じられるローカル食堂で、ランチを楽しんでみませんか?
ベトナムごはんは、見た目はシンプルでも、ひと口食べると奥深くて、どこかほっとする味ばかり。今回は、私自身がひとりでもよく通っている、お気に入りのローカルランチを2つご紹介します。
地元の人にまじって食べるそのひとときは、旅をちょっと特別なものにしてくれます。
もちもち麺の「バイン・カイン」
観光地の喧騒から少し離れて、地元の人に混ざってローカルランチを楽しみたいなら、「バイン・カイン(Bánh Canh)」がおすすめです。米粉とタピオカ粉で作られた太めの麺はもちもちとした食感で、うどんに近い感覚。スープは豚骨ベースで、見た目よりもまろやかでやさしい味わいです。
麺には、透明タイプと白いタイプの2種類があり、スープとの絡み方が微妙に異なるのも面白いポイント。おすすめのお店は、地元の人が日常的に通う人気店「Bánh Canh Thu(バイン・カイン・トゥ)」。ローカルならではの温かい雰囲気も魅力です。
このお店では、トッピングのバリエーションも豊富。揚げ魚、カニ、豚骨、うずらの卵などを好みに合わせて自由にカスタマイズできます。特におすすめなのが、店頭で揚げたてを提供してくれる揚げパン。スープとの相性が抜群で、外はサクッと、中はホクホク。これを頬張りながら、出汁の効いたスープをすすると、まさに至福のひとときです。
価格は1杯あたり約4〜5万vnd(約220円〜280円)とリーズナブルで、気軽に本場の味が楽しめます。
コン市場で食べる豚生春巻き
ダナンのローカル市場グルメに挑戦するなら、「バイン・チャン・ティット・ヘオ(Bánh Tráng Thịt Heo)」は外せません。茹でた豚肉のスライスとたっぷりの野菜を、薄いライスペーパーと、もちもちのタピオカライスペーパーの二重で巻いて食べる、ベトナム版の生春巻きです。
独特の風味がある発酵調味料「マムネム」につけて食べるのが定番ですが、苦手な方はヌクマム(魚醤)やチリソースに変更することも可能です。
この料理が地元の人にも人気なのが、ハン市場よりもさらにローカル度の高いコン市場。その中にある「Bánh Tráng Thịt Heo Bi My(バイン・チャン・ティット・ヘオ・ビーマイ)」という屋台食堂では、リーズナブルな価格でボリュームたっぷりの豚生春巻きを味わえます。
市場内には、ここでしか買えない調味料や食材も多く並んでおり、食事とあわせてローカルショッピングも楽しめるのが魅力です。
【午後】カフェとネイルで過ごす、ゆるやかローカルタイム
午前の散策を終えたら、午後は少しペースを落として、ゆったりと過ごすのがダナン流。特に夏のダナンは日差しが強く気温も高いため、涼しい室内で過ごせるスポットを選ぶのがおすすめです。
ローカルカフェで甘いドリンクを楽しんだり、ネイルサロンで気分を上げたり。観光地とはまた違った、地元ならではの空気に触れながら、心も体もリフレッシュできる時間を過ごしてみませんか?
ローカルカフェでまったり休憩
ランチのあとは、少し歩いてローカルなカフェでまったり過ごすのがおすすめです。観光客向けのおしゃれカフェも素敵ですが、せっかくなら地元の人たちに混ざって、静かな時間を楽しめるお店へ足を運んでみませんか?
ベトナムならではのエッグコーヒーやヨーグルトコーヒー、塩コーヒーなどに挑戦してみるのも、この国のカフェ文化を味わう一つの楽しみです。
おすすめは「Noi Cafe(ノイカフェ)」。街中にある小さなレトロカフェで、ベトナムらしい落ち着いた雰囲気が魅力です。地元の人が多く、一人で来ている人も多いため、ひとり旅でも気兼ねなく過ごせます。
中でもおすすめなのが、ココナッツコーヒーとエッグコーヒー。エッグコーヒーは、卵黄のやさしい甘みとふわっとしたクリームの食感が絶妙で、苦味のあるコーヒーとの相性も抜群です。
ネイルサロンでプチ体験
旅の合間に、ちょっと気分を上げたいときは、ローカルのネイルサロンでのプチ体験もおすすめです。私のお気に入りは「Eva Nail & Beauty」というお店。観光地の中心からは少し離れていますが、ハン市場から車で約10分ほどです。
Googleの口コミはまだ多くありませんが、施術は毎回とても丁寧で、持ち込んだデザインも忠実に再現してくれる完成度の高さが魅力です。私はいつもFacebookで事前に希望デザインを送り、施術が可能かどうか、いくらになるかを確認しています。返信も早く、料金も明確に伝えてくれるため、初めての時でも安心して利用できました。
ネイルの価格設定もかなり良心的で、単色ジェル(透明・カラー)にトップジェルを加えた基本コースが9万vnd(約500円)と日本では信じられない安さ。(※2025年6月現在)持ち込みデザインも可能で、細かく値段が決められているため、ぼったくられる心配もありません。
店員さんはとても親切で、扇風機やクッションなどの細やかな気遣いが感じられます。施術中はデザインの再現に真剣に取り組んでくれているのが伝わってきて、毎回理想通りの仕上がりに。しかもとてもスピーディーに対応してくれるので、観光の合間にもぴったりです。
【夜】ひとりでも気軽にダナンの夜を満喫
日が暮れる頃、ダナンの街には涼しい風が吹きはじめ、屋台や食堂に明かりが灯ります。夜のひとり時間も、ちょっと勇気を出してローカルなお店へ足を運んでみませんか?ローカルグルメでお腹を満たし、最後はビールで乾杯。無理せず自分のペースで、ダナンの夜を楽しめるシンプルなプランです。
ダナンで一番の推し店!ローカル揚げ春巻きの名店「Dì Hoa」
一日の締めくくりには、ちょっとディープなローカル飯がおすすめ。私のおすすめレストランは「Ram Cuốn Cải Dì Hoa(ラムクオンカイ・ディー・ホア)」という揚げ春巻き屋さんです。友達にすすめられて行ったのですが、場所は大通りからバイク2台分ほどの小さな路地を入った奥。最初は「本当にこんなところにお店あるの…?」と少し不安になるようなロケーションでした。
しかし、路地の先にはちゃんとお店があって、迎えてくれたのは地元のおばあちゃんたち。1人か2人で切り盛りしているようで、アットホームな空気がとても心地よかったです。
名物の揚げ春巻き(Ram)は、香草やレタスで巻いて食べるダナンならではのスタイル。サクサクの衣にジューシーな具、たっぷりの野菜ときゅうりの酢漬けが相まって、ひと口で“これは当たり”と分かるおいしさ。ボリュームもあって、1人分でしっかり満足できるのに、価格は5万vnd(約280円)前後と驚きのコスパです。
実はこの料理、私がダナンで一番大好きなごはんで、気づけば月に何度も通ってしまうほどの常連に。屋台風のざっくりした空間だけど、ひとり客も多く、気兼ねせずのんびり食事ができる雰囲気です。
ひとり旅女子の定番!ホテルで“安心お疲れビール”
女子ひとり旅だと、夜遅くまで外で飲んで帰るのは少し不安。でも、「旅の締めに一杯だけビールを飲みたいな」と思うことが私はよくあります。
そんなときは、ホテルに戻る前にマート(ベトナム版コンビニ・スーパー)に立ち寄ってみましょう。市内にはWinMartやFULL-MARKETなどのマートが多く、ビールも豊富に取り揃えられています。一本あたり約1.5万vnd(約80円)とかなりリーズナブルで、ローカルビールの飲み比べも楽しめます。
日中に市場や屋台で買った南国フルーツをおつまみに、ホテルの部屋でゆっくり乾杯すれば、自分だけのダナンナイトが完成。安全に、でもしっかり満たされる、ひとり旅らしい夜の過ごし方です。
ダナンの“ローカルな一日”を、自分らしく楽しもう
ダナンの魅力は、ビーチや観光地だけではありません。屋台の朝ごはん、カフェでのひと休み、親切に話しかけてくれる人々との出会い。そんな何気ない風景の中に、この街のあたたかさや暮らしのリズムが感じられます。
拙いベトナム語でも思い切って話しかけてみると、笑顔でゆっくり返してくれる人が多く、まるで“観光客”ではなく、“誰かの日常に混ざった旅人”のような気持ちになります。ときには言葉を教えてくれたり、おすすめを教えてくれたり、そんなやり取りが旅の記憶をじんわりと豊かにしてくれます。
この記事で紹介した場所は、実際に何度も訪れて「また行きたい」と思ったお気に入りばかりです。ひとりでも過ごしやすく、気取らずに入れて、しかも地元の人たちにとっても日常の一部になっているような場所ばかりなので、初めての方でもきっと自然に楽しめるはずです。
ダナンを歩いていると、ふとした瞬間にローカルの空気や人の優しさにふれることがあります。そんな一日を、自分のペースでゆるやかに過ごしてみるのもきっと素敵です。観光では出会えなかった、新しい旅のよろこびが見つかるかもしれません。