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ベトナム中部に位置するダナンは、透き通る青い海と美しい砂浜が広がるリゾート都市です。ノマドワーカーやリタイア世代、長期滞在を考える日本人から注目を集めています。物価の安さと快適な住環境、そして豊かな食文化を楽しめる魅力的な街で、多くの人々が新たな生活拠点として選んでいます。
この記事では、そんな筆者のリアルな体験を交えながら、実際にダナンで暮らす1ヶ月の生活費の目安を初心者にも分かりやすく、具体的にお伝えします。
ダナンの住居費
サービスアパートやホテル、コンドミニアム、一戸建て(ヴィラ)など、それぞれ異なる特徴と利点があり、予算やライフスタイルに応じて選ぶことができます。
たとえば、短期滞在の方にはホテル住まいが便利です。一般的には月額2,400万vnd(約15万円)からスタートしますが、高級ホテルではさらに高額になることがあります。
コンドミニアムは、より自分らしい生活を送りたい方に向いています。家具付きの物件もありますが、基本的にはオーナーと直接契約し、水道光熱費やインターネット料金を自己負担する形になります。
1ベッドルーム(40〜60㎡)月額1,440万〜2,160万vnd(約8.9万〜13万円)が相場で、2ベッドルームでは2,160万〜3,600万vnd(約13万〜22万円)となっています。
また、家族でゆったりと過ごしたい方には、一戸建てという選択肢もあります。庭付きの物件やプール付きの高級ヴィラもあり、広々とした空間でリラックスできます。3ベッドルームの高級ヴィラの相場は月額4,800万〜5,760万vnd(約30万〜36万円)となっています。
家具付きサービスアパートメントの月額料金
家電や家具がすべて揃っているため、到着したその日から快適な生活を始めることができます。快適な広さのワンルームアパートメントが月額700万〜1,200万vnd(約4万〜7.4万円)で提供されています。
筆者は市街地エリアのワンルームのサービスアパートメントに住んでおり、家賃は月額600万vnd(約4万円)です。契約時には礼金が不要で、敷金として家賃1ヶ月分を納めました。
生活環境と管理体制
筆者の住むアパートでは、入り口がロック式になっており、住人以外は自由に出入りすることができません。また、24時間体制で管理人が常駐しており、防犯カメラも設置されているため安心して生活できます。
家の中でトラブルが発生した際には、管理人が迅速に駆けつけて、その日のうちに問題解決をしてくれます。筆者はベトナム語が話せませんが、Google翻訳アプリを活用しながら丁寧にコミュニケーションを取ってくれるため、言語の壁を感じることなく生活ができています。
水道代とWi-Fi代
筆者のアパートは賃料に水道代とWi-Fi代が含まれており、追加費用はかかりません。ただし、物件によってはこれらが家賃に含まれない場合もあるため、契約時には必ず確認することをおすすめします。
ベトナムでは水道水を飲むことができないため、飲料水の確保が必要です。筆者は管理人さんから20リットルの飲料水ボトルを1本10万vnd(約600円)で購入しています。ウォーターサーバーを利用する賃貸で、レンタルが無料のモデルもありますが、有料モデルの場合は月額約25万vnd(約1,500円)が一般的です。
電気代について
一方で、電気代は別途請求されるのが一般的です。目安としては、エアコンの使用頻度に応じて月額約70万〜120万vnd(約4,200〜7,200円)が一般的です。コンドミニアムやサービスアパートメントでは、電気料金の単価が異なる場合があり、一般的には1kWhあたり約3,500~4,500 vnd(約22〜30円)で設定されています。
クリーニングサービス無料
多くのサービスアパートメントでは、クリーニングサービスが家賃に含まれている場合があります。
たとえば、筆者のアパートでは、週1回1時間かけて隅々まで丁寧に掃除をしてもらえます。ベッドのシーツは清潔なものに交換され、ベッドメイクも行ってくれるため、まるでホテルのようなサービスを受けられます。
ミーケビーチ沿いのアパートとの比較
2025年2月時点でミーケビーチ近くのアパートは、月額約750万〜1,350万vnd(約4.6万〜8万円)の価格帯で借りることができます。このエリアの物件は広さや設備が充実しており、観光客に人気のビーチや飲食店へのアクセスが良いのが特徴です。また、中心街にも近く、生活の利便性が高いため、外国人居住者に非常に需要があります。
食費
ローカルマーケットの具体的な価格例
地元の市場では、新鮮な野菜や果物が手頃な価格で販売されています。例えば、米5kgは約16万vnd(約990円)、トマト1kgは約2,5万vnd(約150円)、バナナ1kgは約3万vnd(約180円)と、日本と比べて非常にリーズナブルです。
日本食材店業務スーパーの具体的な価格例
一方、日本の食材を購入する場合はコストが上がります。醤油1リットルは約19万vnd(約1,200円)、だしパック約11万vnd(約700円)、めんつゆ 720mlは約6,8万vnd(約420円)、枝豆300gは約5,8万vnd(約360円)です。
筆者は週に1回日本食材店の業務スーパーで日本食材を購入していますが、食費は月額約226万vnd(約14,000円)で収まっています。
外食やデリバリーの費用例
地元の食堂でベトナム料理を楽しむなら、1食約2,5万〜5万vnd(約150〜300円)で済みます。日本食レストランではランチが24,2万vnd(約1,500円)で、マクドナルドのビッグマックは7,6万vnd(約471円)、スターバックスのラテは7,5万vnd(約465円)と、国際チェーン店は日本とほぼ同じ価格帯です。
筆者は週に1回程度外食やデリバリーを楽しみ、その日の気分に合わせてローカル食堂や日本食レストランを利用しています。
デリバリーサービスも便利で、ベトナム料理なら1食あたり約5万〜10万vnd(約300〜600円)です。外国料理や日本食を注文する場合は、10万〜25万vnd(約600〜1,500円)となることもあります。
初めはローカルマーケットでの買い物に挑戦しましたが、言葉や文化の壁を感じたため、現在は近所のコンビニやスーパーを主に利用しています。スーパーなら価格表示が分かりやすく、初心者でも安心して買い物ができるので安心感があります。
交通費
Grabタクシーのバイク利用料金
移動手段として最も便利なのが、配車アプリ「Grab(グラブ)」です。筆者も普段から利用していますが、特にバイクタクシーである「GrabBike(グラブバイク)」はバイク大国のベトナムでは、バイクドライバーの後ろに乗るたびに異国の生活に溶け込んだような気分になります。
グラブバイクは近距離であれば約1,5万vnd(約90円)から利用できます。車タクシーは荷物が多い時や雨天時に便利で、同じ距離の移動でも約12万〜13万vnd(約720〜780円)ほどで済みます。
筆者の交通費は月に8万vnd(約500円)程度ですが、ダナンの街はコンパクトで、近所におしゃれなカフェや美味しい食堂が多いため、タクシーを利用する頻度は少なめです。ただし、乾季になるとSUP(スタンドアップパドル)を楽しむためにビーチへ出かけることが増え、交通費は月額68万vnd(約4,200円)に上がります。
自分で運転する場合と公共交通機関の情報
自分でバイクを運転する選択肢もありますが、筆者はまだ勇気が出ません。ダナンの交通ルールは日本とは大きく異なり、交差点ではクラクションを鳴らしながら突き進む独特のスタイルに慣れるのが難しいと感じます。
レンタルバイクの料金は、1日あたり約10万〜15万vnd(約600〜900円)、月額で100万〜150万vnd(6,000〜9,000円)程度が相場です。ガソリン代は1リットルあたり約2,3万〜2,5万vnd(約143〜155円)ほどです。
ダナンのローカルバスは片道約5,000〜1万vnd(約30〜60円)と非常に安価ですが、路線が限られており、運行間隔も長いため、観光客や長期滞在者にとっては利便性が低いと感じるかもしれません。
日常生活の支出
日用品
現地ブランドのシャンプー2リットルは約13万vnd(約780円)で購入可能ですが、日本ブランドや輸入品は33万vnd(約2,000円)以上となり、特に輸入品は日本国内よりも高価な場合が多いです。日本で人気の海外製品の柔軟剤ダウニーは約24万vnd(約1,500円)です。
SIMカードや通信プラン
4G通信が使い放題のSIMカードは、月額約17万vnd(約1,020円)と手頃な価格で利用可能です。さらに、多くのカフェやレストランでは無料Wi-Fiが提供されています。
筆者も現地で購入したSIMカードを使っていますが、自宅や街中の無料Wi-Fiを活用するので、通信費はほぼ0円で済んでいます。
自宅にWi-Fiを設置する場合は月額約34万vnd(約2,100円)程度です。
ジムやヨガスタジオ、映画館の費用
筆者はジムやヨガスタジオに通っていますが、月会費は約40万〜80万vnd(約2,400〜4,800円)とお手頃です。ジムでは自由にヨガやキックボクシングのクラスにも参加できるのでお得感があります。
映画館の2D映画のチケット料金は約4,5万〜9万vnd(約270〜540円)、3D映画でも約5,5万〜10万vnd(約330〜600円)程度です。
医療・保険
初めての受診では、言語の壁や医療技術、衛生面に不安を感じました。しかし、事前に情報を集めたり、現地在住者の体験談を参考にしたりすることで、安心して医療を受けることができました。ローカルのクリニックから国際病院まで、さまざまな医療機関が揃っています。
歯科医療の体験
定期検診に通っている歯科医院「Nha Khoa Dr.Bao」では、歯のクリーニングが約29万vnd(約1,800円)。院内は新築で清潔感があり、日本と同じように除菌処理された医療機器を袋から取り出して使用しているのを見て、安心感がありました。
治療はプライベートルームで行われるため、落ち着いて受けることができます。日本語は通じませんでしたが、簡単な英語で問題なく対応してもらえました。
産婦人科の定期検診体験
「パスツールクリニック・ダナン」には、定期検診のために2度訪れました。検診料は約100万vnd(約6,000円)で、受付から診察までの流れがスムーズです。医師の対応も非常にプロフェッショナルで、安心して診察を受けることができました。
検診結果は英語の書類としてEメールで受け取ることができるため、記録としても便利。診察中も、疑問や不安がなくなるまで丁寧に説明してくれ、日本人の患者も多いため、日本人対応にも慣れている印象でした。
診察後には「何かあればいつでも連絡してね」と言ってもらえたのも、心強かったです。
緊急時の医療費
VINMEC国際病院では初診料が約69万〜110万vnd(約4,200〜6,600円)です。健康診断は200万vnd(約12,000円)程度で、入院費用は病室のグレードにより異なり、約350万vnd(約21,500円)から最大で約2,300万vnd(約121,800円)です。
その他の出費
ビーチアクティビティ
サーフィンやパラセーリングの料金は約50万〜83万vnd(約3,000〜5,100円)、SUP(スタンドアップパドル)は約20万vnd(約1,200円)で、なんと時間無制限。スタッフが安全を見守りながら、思い出に写真を撮ってくれるのも嬉しいポイントです。朝日を眺めながらSUPをすると、爽やかな1日がスタートできます。
マッサージ
マッサージは観光客だけでなく、在住者にも人気があります。筆者は出張スパサービスを利用しており、自宅で本格的なマッサージを受けられるのが魅力です。90分の施術は約60万vnd(約3,600円)。
店舗スパでは1時間約15万〜45万vnd(約900〜2,700円)で、落ち着いた空間で贅沢なひとときを楽しめます。
リアルな物価とゆとりある暮らし
本記事では、筆者が実際に現地で生活する中で体験したリアルな物価情報や日常の出費について紹介しました。
日本と比べて生活費を抑えられる一方で、賃貸のサービスは充実しており、趣味のSUPやカフェ巡りを楽しんだり、気軽にタクシーを利用したりできる環境が整っています。まさに「ゆとりある暮らし」を実現でき、心豊かな時間を持てていると感じます。
最後に、筆者のダナンでの1ヶ月分の生活費の内訳をまとめました。ダナン滞在を計画している皆さんの参考になれば幸いです。
ベトナムドン | 日本円 | |
家賃 | 600万vnd | 37,000円 |
食費 | 226万vnd | 14,000円 |
交通費 | 8万vnd | 500円 |
光熱費 | 40万vnd | 2,500円 |
娯楽費 | 307万vnd | 19,000円 |
合計 | 1181万vnd | 73,000円 |
※2025年1月時点