【体験レビュー】ベトナム統一鉄道で行くダナン⇄フエ|チケットの買い方、寝台列車の様子をお届け!

ダナンから約1時間でアクセスできる人気の観光地「フエ」。車での移動が手軽ですが、鉄道を利用しても、約3時間の特別な旅が楽しめます。少し時間をかけて、ディープな鉄道旅に出かけてみませんか?鉄道ならではの魅力は、車窓に広がる絶景。ハイヴァン峠やランコービーチなど、鉄道でしか見ることができない壮大な風景が待っています。

今回は、ダナンからフエまで、ベトナム統一鉄道のベッドシートを利用した旅をご紹介します。チケットの購入方法から、鉄道での移動の様子まで、たっぷりとお届けします。

ベトナム統一鉄道チケットの買い方

公式サイトからチケットを購入

ベトナム統一鉄道のチケット購入方法は、「駅窓口」「公式サイト」「旅行会社経由」の3種類。今回は「公式サイト」から事前にチケットをクレジットカードで購入しました。公式サイトでは、空いている座席を見ながら予約する席をじっくり考えられるのでおすすめです。

公式サイトはこちらTổng công ty đường sắt Việt Nam – Bán vé tàu trực tuyến (dsvn.vn)

少し贅沢してベッドシートを選択

ダナンからフエの乗車時間は約3時間。座席シートで十分ではありますが、せっかくならディープな旅感を味わいたいと考えて、ベッドシートを選びました。ダナンからフエで総額「13.7万vnd(約800円)」でした。

支払い後にチケットをダウンロード

支払い完了後、公式サイトからチケットをダウンロードすることができます。ダウンロードしたチケットの画面を見せれば乗車できましたが、不安な場合は事前に印刷していくことをおすすめします。

AM10:30 ダナン駅出発

大きな汽車のモニュメントがお出迎え

ダナン駅の目玉は、駅前にある汽車のモニュメント。旅が始まるワクワク感を味わうことができます。駅周辺はカフェやローカルレストランが充実していました。出発時間に余裕をもって到着し、散策してみるのが良いかもしれません。

売店やチャージスポットも充実

気になる駅の様子ですが、駅の規模としては小さめな印象で、駅構内も階段などはなく一階建てでした。駅内の設備が気になるところですが、トイレや売店、無料のチャージスポットの設置などがあり、かなり充実しています。待ち時間が長くても安心です。

迷ったら駅員さんに案内してもらおう

どこで乗車したら良いのかわからずキョロキョロしていると、親切なおじさんが駅員さんに声をかけてくれました。ベトナムの人たちの温かさを身にしみて感じました。駅員さんにチケットを見せたら「ここを通ったらいいよ」とゲートに案内してくれました。

このゲートでチケットの確認があり、電車のあるホームに入ります。ホームにも駅員さんがいたので、チケットを見せると私の乗る車両を教えてくれました。一度線路に降りてから電車に乗ることにびっくり。日本で線路に降りることはなかなかないのでワクワクしながら、無事に乗車できました。

清潔かつ趣のあるベッドシート車両

車内はいくつもの部屋に分かれていて、1つの部屋に4つのベッドがあります。自分の部屋とベッドシートを見つけましたが、合っているか不安だったので、上のベットシートにいた男性にチケットを見せて「ここで合っていますか?」とジェスチャーで確認しました。とても優しく教えてくれたので、ベトナム人の優しさにまたもやほっこり。

長旅でも安心の充実した設備

私は下のベッドシートを選択しました。各ベットには、枕とブランケットが用意されています。上下2人ずつで兼用のコンセントがあり、各ベットにもUSBコンセントとライトが完備。もちろん2階のベットにもコンセントがあります。

足を上に伸ばせるほどのスペースがありました。大きなリュックをベットに置いていても、窮屈な思いをせずに快適な時間を過ごすことができます。大きな荷物を持っている人は、寝台車両を選ぶのがおすすめです。カーテンが無いため、お互いまる見えではありますが、音を出してゲームをしている人や電話をしている人もいて、自由に過ごせる空気だったため、ストレスを感じずに過ごすことができました。

これぞ電車旅の醍醐味!充実の車内販売

しばらく電車に揺られていると、各部屋に車内販売の声がかかります。食事系からデザート系まで種類はさまざま。ベトナム語で声をかけられるので、どうしたら良いか分からずにオドオドしているとすぐにワゴンカーが行ってしまうこともありました。車内販売はスピード勝負。私は朝食にヨーグルトを購入しました。

ちなみに、上のベットの男性がご飯のプレートを買っていたので、見せてもらいました。

かなりボリューミーです。「ここで食べて良い?」と男性に言われて、どういうことかと思っていたら、私のベットに座って食べ始める謎の展開。どうやら、下のベットには共用の机が通路にあるのですが、上のベットには机がないようで、机を借りたかったみたいです。こういった交流も電車旅ならではの体験です。

気になるトイレ事情

ダナンからフエまでは3時間の旅。トイレが清潔なのかは気になる点ですよね。こちらが実際の車両のトイレです。とても清潔というわけではないですが、使えない程でもなかったです。日本の公園の公衆トイレよりも断然きれいでした。匂いは若干気になりますが許容範囲でした。

車窓に広がるノスタルジックな景色

遠くまで続く穏やかな海岸線

鉄道旅の一番の魅力は、ベトナムの大海原を眺めることができること。山の緑と海が調和した壮大な景色です。この景色を見るために鉄道を利用する人が多いので、通路にはベットから起きてきた乗客がたくさん。ダナン→フエの場合、部屋の窓から見える景色は主に山で、通路側が海になります。

どこか懐かしいベトナムの原風景

見える景色は海だけでなく、どこか日本に通じるような懐かしさのある田園風景を眺めることができます。よく目を凝らしていると水牛を見ることもできます。途中で雨が降ってきましたが、車窓に雨が滴る様子も趣があって幻想的でした。

PM1:30フエ駅到着

到着アナウンスは分かりづらいので、度々Googleマップなどで、あとどれくらいで着くのか確認することをおすすめします。私は、フエに到着する直前に寝落ちしてしまったのですが、到着すると駅員さんが起こしに来てくれました。なんて優しい国なんでしょうか。

異国情緒あふれる売店がひしめき合う

電車を降りると、ずらーっとホーム全体に並ぶ売店にびっくり。肉まんなどの軽食も販売していました。ダナン駅はスタイリッシュな雰囲気だったので、フエ駅の活気あふれる雰囲気に違う土地にやってきたのだというドキドキが募ります。

駅周辺のカフェでひと息

フエ駅周辺には、ベトナムで人気の軽食「バインミー」などに加えて、フエ名物の「ソルトコーヒー」が楽しめるカフェも充実しています。フエののどかな空気を楽しみながら、観光前に駅周辺でひと息つくのがおすすめの楽しみ方です。

旅行後記:なんと帰りの鉄道は運休に

私はフエに昼ごろ着いたため、フエで観光を楽しみ一泊し、ダナンに電車で帰る予定でチケットも取っていました。しかし出発時間にフエ駅に行くと、「今日の電車は運休です」と駅員さんに言われ返金対応に。帰りの景色を楽しみにしていたので残念でした。

駅周辺にはタクシーや乗合バスのキャッチの人たちがたくさんいたので、バスで帰ることにしました。観光客はおらず、現地の人に囲まれて帰るバスもまた違ったワクワク感がありました。ハプニングもありましたが、ベトナムの綺麗な景色や優しい人たちに触れ、ベトナムがより一層好きになった旅でした。ダナンを訪れた際には、ぜひフエまでの鉄道旅もお楽しみください。

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