初心者OK!ダナンで叶える海辺の乗馬|Golden Hoof体験記

ダナン中心部から車で約15km、クアンナム省ディエンバン市ディエンズオンの穏やかな海岸線に位置するGolden Hoof Equestrian Clubは、初心者から経験者まで安心して楽しめる乗馬体験の拠点です。安全管理と馬への配慮が行き届き、英語での案内もスムーズ。観光の合間に立ち寄るというより、ここ自体を「目的地」にして訪れたくなる――そんな静けさと充実度が魅力です。

ロケーションと雰囲気|ディエンズオンという舞台

クラブの活動エリアは、ダナンとホイアンのあいだに延びる海岸線一帯に広がっています。朝には薄い霧が細かな砂を包み、波は呼吸のように穏やか。夕暮れには蜂蜜色の光が木立を抜け、田畑が金色に揺れます。
開放的で人の少ないビーチは、乗馬に最適な足場と撮影に適した光に恵まれ、喧噪から離れた「深呼吸の時間」をもたらします。ビーチライドの集合場所は「Diễn Dương Beach」を目安にすると便利です。

体験メニューと料金の目安

Golden Hoof では、風景に溶け込むゆったり騎乗から、経験者向けのしっかりライドまで幅広く用意されています。(以下は取材・体験時点の参考価格です。時期により変更になる可能性があるため、予約時に最新情報をご確認ください。)

ビーチライド(60分・初心者向け)

海沿いを片道約3km(往復約6km)進む定番プログラム。英語の説明は簡潔で、未経験でも安心です。
料金目安:12万vnd/人

フィールドライド(60分・初心者向け)

畑や野道をゆっくり進むコース。初回の“馬に慣れる”一歩として選ばれることが多いです。
料金目安:9.5万vnd/人

サンライズライド(夜明け・要前払い)

東の空が染まる時間帯を狙う特別枠。光が柔らかく、写真・動画の仕上がり重視の方に最適。
料金目安:18万vnd/人(100%前払い)

アウトドアライド(1.5〜2時間・経験者向け)

海またはフィールドを選択。一定のコントロールができる方向けで、走路の状況に応じて速度調整も。
料金目安:21万vnd/人

レッスン/認定コース

基礎から体系的に学ぶ6か月コース(期末試験合格で認定証)、ホースケア2か月コース(ブラッシング、
給餌、健康チェックの実習)など、学びのプログラムも整備。体験(45分)は子ども8万vnd/大人9万vndVND。
月8回(各1.5時間)のパッケージは子ども900万vnd/大人960万vndの目安です。

予約〜当日のながれ

予約前チェック

希望コース・参加人数・希望時間帯(朝7:00〜8:00/夕方15:00〜16:00が快適)を決め、英語で連絡します。服装は長ズボン・歩きやすい靴を基本に、日焼け止め・水分・サングラスなどを用意。体重制限の目安は騎乗馬により異なるため、必要に応じて事前に相談しておくと確実です。(実体験の馬は約70kgが目安との案内でした。)

集合と受付

ビーチライドは「Diễn Dương Beach」で合流。到着後、装備確認と注意事項の説明を受けます。ヘルメットには使い捨てライナーが付き、衛生面の配慮も行き届いています。

馬との“あいさつ”と安全説明

騎乗前にニンジンを与え、額や首筋に触れて匂いを覚えてもらいながら距離を縮めます。安全の基本(姿勢、手綱の持ち方、指示の出し方)を確認し、インストラクターの先導でスタートします。

騎乗〜コース

未経験者はインストラクターが手綱を引き、ゆっくりと一定のペースで進行。ときどき自走させる場面もありますが、常に横で見守ってくれるため、体重移動やリズムの取り方に集中できます。浅瀬に入る場面もありますが、基本的に騎乗者の衣服は濡れません。

終了後

馬具を外し、馬の体を労わって解散。撮影タイムを設けたい場合は、出発前に相談しておくと段取りがスムーズです。

体験レビュー|“海と馬のリズム”に身をあずける60分

馬たちとの距離感――“生き物”と歩幅を合わせる

実際に同行したのは、茶白の牡馬と小柄で穏やかな牝馬の二頭でした。二頭の距離が離れると、牡馬は小さく呼ぶように鳴いて牝馬を待ち、並ぶと鼻先をそっと触れ合わせます。互いの息づかいが落ち着いたのを確かめてから歩み出す――その一連の所作に、馬同士のコミュニケーションの繊細さがにじみます。“smile”の合図で上唇を引き上げ、歯をのぞかせる表情は、写真のアクセントとしても印象的でした。

騎乗前の“なじませ”は数分でも効果があります。額や首筋に触れ、匂いを覚えてもらい、ニンジンを一片。耳の向き、鼻孔の開き、尾のわずかな振りで、馬の気分が読み取りやすくなります。最初の一歩で緊張が解け、鞍上の身体の力みも自然に抜けていきます。

海辺のコンディションと視界――水平線が“面”で迫る

10月上旬の晴天。海は澄み、ビーチは驚くほど静かでした。遠方に漁船が点のように浮かび、足元の砂はほどよく締まっていて、蹄のリズムが身体の芯まで伝わってきます。浅瀬に入ると、蹄が水面を割る音がサクッと耳に届き、しぶきが踝のあたりでほどける一方、鞍上の衣服はほとんど濡れません。馬上の視点は想像以上に高く、歩行では得られない水平線の“面”が立ち上がり、視界全体を押し広げてくれます。

潮風は塩の香りを含み、革の鞍がきしむ音、たてがみの温度、手綱の張りの微妙な変化が同時にやって来ます。五感が忙しくなる分、視線を“遠く”へ置くと体幹が安定し、揺れが和らぎます。インストラクターの「目線は水平線へ」という助言は、姿勢づくりに効果的でした。

体感時間と安全感――“怖さ”より“心地よさ”が勝つまで

往復約6kmをゆっくり進む60分は、数字以上に濃密です。未経験でも“怖さ”より“心地よさ”が勝ちやすいのは、歩度が一定で、インストラクターが手綱を引きつつ、要所で自走させてくれるからです。自走の瞬間は揺れがわずかに変わりますが、横に並走してくれるので不安は最小限。踵を軽く下げ、膝で挟み込まず、坐骨をまっすぐ鞍に預けるだけで、身体のブレが目に見えて減っていきます。

経験者であれば、路面と周囲の安全が確保できる箇所で、歩度を少し上げる相談も可能でした。速度を上げるほどに風の体感温度が下がるため、夕方は薄手の羽織が一枚あると快適です。終了後は馬具を外し、額をなで、ひと呼吸の“ありがとう”を。ご褒美のニンジンを噛む音が、体験の締めくくりに心地よく響きます。

撮影を成功させるコツ

光の選び方

写真は朝7:00〜8:00の透明感が活き、動画は午後15:00〜16:00のほうが逆光を避けやすく、
肌と海の階調が素直に出ます。薄曇りの日は影が柔らかく、人物も海もフラットに整います。

服装とスタイリング

基本は長ズボン・ストラップ付きのフラットシューズ。安全性を確保しつつ、ボーホーやカウボーイの要素を少し取り入れると画面に物語性が生まれます。白やベージュなど砂浜に馴染む色は、海の青を引き立ててくれます。

写真のようにミニワンピースの場合は、実際の騎乗時にインナーショートパンツや7~10分丈レギンスを重ねるのがおすすめ。裾が風でめくれやすいため、リネンシャツなどでカバーすると安心。足元はヒールは避けましょう。撮影メインであっても、擦れ・日焼け対策として上記の重ね着をしておくと快適です。

構図と動き

静止画は“斜めからの馬体+海の奥行き”で立体感を、動画は“横移動での並走ショット”や“馬上のPOV(手綱と耳が入る構図)”で没入感を。風で髪や衣装が動くシーンは数テイク確保し、歩幅のリズムと編集点を合わせると仕上がりが安定します。

安全とマナー|快適に楽しむために

基本の装備と姿勢

ヘルメットは必須。指示はインストラクターの合図に合わせ、急な動きは避けます。馬は繊細な動物です。大声・急接近・不用意なフラッシュは避け、馬のサインに注意を払いましょう。

体重・健康・年齢の目安

騎乗馬ごとに適正が異なるため、体重や既往症(腰・膝・妊娠など)は事前に申告を。子どもの参加可否や保護者同伴の条件も、事前確認が確実です。

食べ物と環境配慮

与える餌はクラブが用意するニンジンのみ。持ち込みの食べ物は控え、ビーチやフィールドの自然を損ねない行動を心がけます。

周辺で立ち寄りたいスポットのヒント

体験後は、海沿いのローカル海鮮店やコーヒー店で一息つくのがおすすめ。人の少ない時間帯にビーチを散歩したり、夕景の色温度が落ちる前に追加のスチル・動画を撮ると、“体験+作品”のセットで満足度が上がります。ホイアン方面へ移動してナイト散策を合わせる半日プランも相性が良いです。

よくある質問(FAQ)

Q. 英語が苦手でも参加できますか?

A. 案内は簡潔で、所作は実地で示してくれるため、身振り手振りでも十分伝わります。不安な点は予約時に文面で共有しておくと当日がさらにスムーズです。

Q. 雨天・強風の場合は?

A. 海況や安全基準により中止・延期の判断が行われます。開始前の連絡手段(電話・メッセージ)を
共有し、振替や返金条件を予約時に確認しておきましょう。

Q. 料金の支払いとキャンセルは?

A. サンライズ枠は後払いが基本です。ほかのメニューも時期により条件が変わるため、予約時に支払い方法・キャンセル規定を必ず確認してください。

Q. 何を持っていけばいい?

A. 飲料水、日焼け止め、サングラス、長ズボン、動きやすい靴が基本。撮影重視なら予備バッテリーやウェットティッシュもあると便利です。

“乗るために行く”価値がある

Golden Hoof Equestrian Club は、海に寄り添う立地、丁寧な安全管理、
馬への敬意に満ちた運営が三位一体となった稀有な体験拠点です。
海風と蹄のリズムに身を委ねる60分は、旅のテンポを不思議と整えてくれます。
ダナン滞在に余白をつくり、朝か夕方の光をつかまえに行く――それだけで、
“ただの観光”が“記憶に残る旅”へと確かに変わります。

※本記事の料金・条件は執筆時点の参考情報です。最新の実施状況・集合場所・支払い方法・
キャンセル規定は、予約時に必ずご確認ください。

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