
2025年10月30日、ベトナム中部・フエ市・ダナン市・ホイアン市を含む地域では、連日の大雨が続き、河川の水位が急上昇、観光地周辺でも浸水被害が報告されています。観光を予定していた方の中には「本当に出発して大丈夫?」「ホテルや観光地は安全?」「移動できるの?」と不安を抱えている方も多いでしょう。
本記事では、現地の最新状況と観光客が取るべき安全対策、旅行継続時の注意点を現地在住者の視点で解説します。まず起きている事象を整理し、安心して行動するための知識をお伝えします。
目次
現在の洪水状況(フエ・ダナン・ホイアン)

同日時点、ベトナム中部では大雨が続き、フエ、ダナン、ホイアンの各地で川の増水や道路冠水が発生しています。一部地域では避難勧告も出されており、ベトナム水文気象局によると雨は11月初旬まで断続的に続く見込みです。
地元当局は旅行者に対し、最新の天気情報を確認し、冠水地域には近づかないよう注意を呼びかけています。
ホイアンのトゥボン川で歴史的洪水

今回の大雨で最も深刻な影響を受けているのがホイアンです。市を流れるトゥボン川(Thu Bon River)の水位が急上昇し、地元当局は「1964年以来の歴史的洪水に達する恐れがある」と警戒を呼びかけています。
旧市街の多くが冠水し、観光客の立ち入りは一時禁止に。ボートによる避難が行われており、店舗やカフェの多くが閉店しています。水位は一時2.7メートルを超え、街並みは茶色い濁流に包まれました。29日午後からは雨が弱まりつつありますが、周辺道路はまだ通行できない箇所が多く、観光客は宿泊先や高台で待機するよう指示されています。
一方、地元住民は互いに協力し合い、浸水した家屋の片づけを進めています。ホイアンでは毎年雨季に一定の冠水がありますが、今年の規模は過去10年で最も大きいとされています。
ダナン市内の浸水と避難状況

ダナン市では、27日から続く豪雨により、市内の一部地域で冠水が発生しました。特にタンミー村(Thanh My)周辺では一時的に道路が水に浸かり、車両の通行が制限されました。これまでに約15,800人の住民が安全な場所へ避難し、市政府は避難所や公共施設を一時的に開放しています。
一方、ダナン中心部では雨は続いているものの、豪雨ではなく大きな浸水被害も確認されていません。ミーケービーチやドラゴンブリッジ周辺、ハン川沿いのホテル街も通常通り営業しており、停電や断水といった影響も出ていません。バーナーヒルズへ向かう主要道路も通行可能で、観光客の移動に大きな支障はない状況です。
現在、地元のボランティア団体が被災地域で支援活動を行い、飲料水や食料の配布を進めています。ただし、今回の雨は一時的に弱まっているものの、11月初旬には再び雨が強まる可能性があると気象当局は注意を呼びかけています。
フエ省の降雨・洪水状況

フエ省では、10月中旬からの長雨により、市内を流れるフーン川(Hương River)が氾濫し、一時的に市街地の道路が冠水しました。特にトゥティエン(Thừa Thiên)地方では多くの世帯が浸水被害を受け、当局がボートを使って救援物資を届ける様子も見られます。
現在は雨が落ち着き、30日朝には一部地域で日差しが戻りました。住民は泥の撤去や家屋の清掃を進め、街は少しずつ日常を取り戻しつつあります。しかし、山間部では地盤が緩んでおり、土砂崩れの危険が続いているため、観光客はハイヴァン峠や国道49号線などの通行には十分注意する必要があります。
観光客が取るべき安全対策

洪水時に観光客が最も重視すべきことは「自分の安全を守ること」です。現地当局や宿泊施設の指示を確認し、無理な外出は避けましょう。以下では、滞在中に取るべき行動を具体的に紹介します。
宿泊施設での行動と連絡手段

宿泊先で洪水が発生した場合は、まずフロントスタッフの指示に従いましょう。停電に備えてモバイルバッテリーを常に充電し、避難経路を確認しておくことも大切です。
日本人旅行者の場合は、在ダナン日本国総領事館に登録しておくと、緊急時に日本語での支援や情報提供を受けやすくなります。
また、現地の通信会社のSIMカードを利用してインターネット接続を確保しておくと、緊急時に家族や関係機関と連絡を取りやすくなります。ホテルによっては、ロビーや高層階を一時的な避難スペースとして開放している場合もあります。
移動時の注意点と推奨交通手段

市街地の一部ではGrabやタクシーの運行が一時停止しています。道路の冠水が続くエリアでは、アプリ上で「配車不可」と表示されることもあります。
雨の中を徒歩で移動する際は、水深が膝を超えるような場所には決して入らないようにしましょう。下水や電線の危険もあるため、靴ではなく長靴など防水性の高い履物を使用するのがおすすめです。
どうしても移動が必要な場合は、ホテルスタッフに安全なルートを相談し、地元の人の指示に従うことが安全につながります。
現地での食事・生活のポイント

洪水の影響で多くのレストランやカフェが一時休業しています。ホテルのレストランやルームサービスを活用し、飲料水・軽食・薬などを常備しておくと安心です。
気温は25℃前後と過ごしやすいものの、濡れた服のまま過ごすと体調を崩しやすいため、衣類を早めに乾かす工夫も必要です。
現地の日本人旅行者からは「ホテルに留まって安全を確保している」「スタッフが食事を手配してくれた」などの声も聞かれています。観光よりもまず健康と安全を優先しましょう。
旅行予定者へのアドバイス

これから中部地方への旅行を予定している方は、現地の最新情報を確認し、無理のない判断を心がけましょう。航空便や観光ツアーの多くは通常通り運行していますが、一部道路や観光施設は再開までに時間がかかる見込みです。
最新情報の入手方法
最新の洪水や天候情報を確認するには、「VIETJOベトナムニュース」などの現地ニュースサイトをチェックするのがおすすめです。また、ダナンホリックのLINE公式アカウント(こちら)でも、日本語で最新状況や観光情報を随時発信しています。
旅行の計画や安全確認を直接相談したい場合は、ダナンホリックの無料旅行相談サービス(30分間・日本人スタッフ対応)を利用するのも安心です。
信頼できる情報源を活用し、SNSなどで拡散される未確認の噂には惑わされないようにしましょう。
旅行キャンセルや延期の判断基準
洪水によって一部の観光スポット(ホイアン旧市街、フエなど)が閉鎖されています。旅行会社や航空会社のキャンセルポリシーを確認し、天候が安定するまで旅行を延期するのが賢明です。
安全が確認され、街が再び穏やかさを取り戻してから訪れれば、きっとより安心して中部ベトナムの魅力を楽しむことができるでしょう。
FAQ
以下の内容は同日時点の情報です。状況は変わる可能性があります。最新情報は現地ニュースやダナンホリックLINEでご確認ください。
Q1. 現在ホイアン旧市街は観光できますか?
A. 現在、ホイアン旧市街の一部はトゥボン川の増水により冠水しており、観光客の立ち入りが制限されています。旧市街中心部へのボート移動も原則禁止です。水が引くまでの間は、安全なホテルや高台での滞在をおすすめします。
Q2. ダナン空港や鉄道は利用できますか?
A. ダナン国際空港は通常通り運航しています。鉄道も一部の遅延を除き運行が続いていますが、出発前に最新の運行情報を確認してください。
Q3. 洪水時に安全な場所はどこですか?
ホテルや公共施設が一時避難所として開放されています。中心部の大型ホテルでは宿泊者向けに避難案内を実施しているため、まずはフロントに相談してください。高層階や高台にある建物が比較的安全です。
Q4. Grabやタクシーは使えますか?
A. 一部冠水地域では一時的に運行が停止していますが、ダナンのセンターではGrabやタクシーの利用が可能です。アプリ上で運行状況を確認し、雨が強い時間帯の移動は避けるようにしましょう。
Q5. 洪水がいつまで続きますか?
A. ベトナム水文気象局によると、雨は一時的に弱まっていますが、11月初旬にかけて再び強い雨の可能性があります。旅行を予定している方は、最新の天気予報を随時確認してください。
旅行前に必ず現地の天候をチェックし、安全を最優先に
2025年10月末現在、フエ・ダナン・ホイアンでは大雨の影響で一部地域に冠水が見られますが、中心部の観光地では徐々に落ち着きを取り戻しています。旅行を予定している方は、出発前に最新の天候や交通情報を確認し、現地では無理のない行動を心がけましょう。安全を最優先に、天気の合間にカフェや屋内スポットなどでゆっくり滞在を楽しむのもおすすめです。






