ダナン市内のコーディアルグランドホテル21階に位置するCabanon Palace(キャバノンパレス)は、南フランス料理の魅力を存分に味わえる素敵なレストランです。コース料理からアラカルトまで品数豊富で、友達同士のパーティーから大切な人との記念日ディナーまで、様々なシーンに対応できます。シーフードを中心とした4品のコースメニューは、カニとイカの選択制。今回の取材では2名でカニとイカ両方を堪能しました。ワインペアリングも充実しているので、お酒好きの方も満足できるはずです。本記事ではCabanon Palaceの魅力を紹介していきます。
目次
外観・内装
ホテルに到着した時は少し古さを感じましたが、最上階でエレベーターを降りてレストランの扉を開けると印象が一変します。スタッフがカーテンとドアを開けて出迎えてくれる様子は、上質なおもてなしを予感させます。内装は高級フレンチレストランを思わせる洗練された雰囲気です。
パノラマビューからは見事な夕焼けを眺めることができ、海側は建設中のビルが少し視界を遮りますが、それ以外の方向は視界が抜けていて、ダナンの街並みを一望できる素晴らしいロケーションです。
料理
料理はシーフードを中心としたコース料理だけでなく、アラカルト、プレートなど様々なフランス伝統料理が揃っています。今回はデザートを含む4品のコース料理とワインペアリング(2杯)を選択。コースはそれぞれカニとイカを選択できるので、好みに合わせて注文をすることができます。ワインも店員の方がおすすめを教えてくれるので、お任せでお願いしてみました。
アペタイザー
最初に運ばれてきたのは、小さなタルト生地に玉ねぎとラタトゥユを乗せたアペタイザーです。一口サイズながら、南フランスの味が凝縮されています。甘い玉ねぎとラタトゥユの香りに、ディズニー映画の「レミーのおいしいレストラン」を思い出しました。この小さな一品から、シェフの南フランスへの愛情が感じられ、これからのコースへの期待が高まります。
1品目(カニ・イカ選択制)
- カニのスープ: ウェイターがテーブルでスープを注ぐ演出が印象的です。一口すすると、濃厚なカニの風味が口いっぱいに広がります。その日の朝に漁師から仕入れたカニをコトコト煮込んでコクとカニの味をしっかりと凝縮しているそうです。
添えられたガーリックブレッドとハーブバターが、このスープの楽しみ方を広げてくれます。 ガーリックバター単体、スープに浸して、ハーブバターをつけてと、様々な味わい方ができるのが魅力です。 - イカのパイ: 厚めのパイ生地を切ると、中からイカのトマト煮がたっぷりと顔を覗かせます。イカの食感と味わいがしっかり残っていて、白ワインと一緒に楽しむと、南フランスの漁港町にいるような気分を味わえます。
2品目(カニ・イカ選択制)
- カニのパスタ: トマトベースのソースとカニの風味が調和した一品です。少し太めのリングイーネの食感が心地よく、小麦の香りも豊かです。少し柔らかめの茹で加減は、ベトナム人の好みに合わせているのかもしれません。
- イカ墨パスタ: ダナンでは珍しいイカ墨パスタです。コクのあるイカ墨ソースと太めのリングイーネの相性が良く、イカの食感も楽しめる一品です。スタッフさんのおすすめしてくれた赤ワイン(ピノ・ノワール)と合わせると、より一層美味しく感じられます。
3品目(カニ・イカ選択制)
- カニの肉詰め: カニの甲羅にカニの肉と貝を詰めた、見た目も楽しい一品です。海の幸がぎっしり詰まっていて、あっという間に完食してしまいます。
- イカの肉詰め: イカの姿そのままに、中には豚肉をパスティスというリキュールで煮詰めたパテが入っています。見た目のインパクトも大きく、一口食べるとその豊かな風味に驚かされます。
4品目(デザート)
デザートはチョコレートケーキ&アイスの組み合わせです。カヌレのような形のチョコレートケーキは、中身が生チョコのような食感で、大人向けの甘さ控えめな味わいです。ベリー系のさっぱりしたアイスと交互に食べると、飽きずに楽しめます。
食後酒
最後に出された梨のリキュールは興味深い製法で作られています。梨の実ができる前に木の枝にボトルを挿して梨を育てるという斬新なアイデアで、中には梨の身がそのまま入っています。強めのアルコールながら、さっぱりとした味わいと鼻に抜ける梨の香りが心地よいです。
ワイン
「Rooftop Wine Bar」の名に恥じない豊富なワインの品揃えが魅力です。高級ワインから手頃なグラスワインまで幅広く取り揃えています。スタッフの方がおすすめを紹介してくれ、テイスティングまでさせてくれたので、自分好みのワインを見つけやすい環境が整っています。
シェフHelio氏へのインタビュー
シェフのHelio氏は14年前にフランス第二の都市マルセーユからダナンに移住してきました。彼は兄弟と一緒に店を経営しており、家族は漁師の家系です。本レストランでは南フランス伝統の料理を提供しており、レシピは彼のお婆ちゃんから教わった直伝のレシピだそうです。
ファインダイニングではなくトラディショナルなレストランとしてメニューを提供していることについて、Helioシェフは「日本食では寿司が有名だけど日本人は毎晩寿司を食べるわけじゃないでしょ?それと同じでフランス人も毎晩ファインダイニング(高級フレンチ)を食べるわけじゃない。毎日食べられるトラディショナルな料理を提供しているんだ」と語り、非常に納得感がありました。
彼は毎朝生きた素材を漁師に届けてもらっているそうです。”新鮮”ではなく”生きたまま”届けてもらっているので、本当の意味でフレッシュな魚介類を使用しています。
編集後記
もともとフランス領だったこともあり、ベトナムでのフランス料理のレベルは高いことで有名です。しかも日本のフレンチよりも安価で食べられることも魅力です。165万ドン(約10,000円)でフランス料理のコースが食べられます。ワインペアリング2杯をつけても42万ドン(約2,500円)なので、二人で25,000円で本格フレンチが食べられると思うとお得ですね。
漁師の家庭で生まれ育ったシェフのHelioが、祖母のレシピを受け継ぎダナンでフランス料理レストランを開業し、高級フレンチではなく、伝統的で毎日食べられるフランス料理を目指す姿勢にも感銘を受けました。
料理も総じて美味しく、個人的にはカニのスープ&ブレッドと、イカ墨パスタがイチオシでした。日本人にはあまり知られていないらしいので、自分たちだけの空間で記念日の食事などにぴったりな場所でした。
メルシー、Cabanon Palace。素晴らしい体験をありがとうございました。
基本情報
名前 | Cabanon Palace |
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住所 | 27-29 Loseby Street, 21F Cordial Grand Hotel, Son Tra, Da Nang |
電話番号 | 0796653020 |
メールアドレス | info@cabanonpalace.com |
営業時間 | 17:30–22 :00 (土曜日休み) |
ウェブサイト | www.cabanonpalace.com |