ベトナム中部の世界遺産「古都ホイアン」とは?旧市街の風景やランタン祭りも

各国の文化が混じり合った、ノスタルジックな街並みが特徴的な「古都ホイアン」。夜になると、数多くの色鮮やかなランタンが旧市街を彩ります。ホイアンは、ベトナム中部のクアンナム省に位置する都市で、かつて世界中から商人が集まった港町です。世界遺産にも登録されており、ベトナム屈指の観光地として多くの旅行者が訪れます。今回は、今も昔と変わらない、貴重な街並みを残すホイアンの基本情報や歴史について詳しくご紹介します。

そもそも世界遺産「古都ホイアン」とは?

ホイアンは、ダナンから南方へ約30キロほどの場所に位置します。ベトナムを代表する古都で、16〜17世紀ごろにかけて、国際的な交易の拠点として発展しました。街の中心を流れるトゥボン川沿いに街が形成され、伝統的な家屋など、今なお貴重な建物が多く残っています。ここでは、ホイアンの基本情報についてご紹介します。

ホイアンの基本情報

かつて「海のシルクロード」の港として栄えたホイアンは、中国、日本、オランダ、ポルトガルなど、世界各国の商人が集まる海上交易の中継地でした。特に中国人商人が多く居住していたため、旧市街には中国風の建築物が多く見られます。

ベトナム中部に位置するホイアンの季節は、大きく雨季と乾季に分かれ、年間を通して高温多湿な日が続きます。ホイアンの乾季は3月から9月ごろ、雨季は10月から2月ごろです。

乾季の6月から8月にかけては、1年で最も暑い時期となるため、街歩きをする際には熱中症に注意が必要です。雨季は降水量が多く、特に台風のシーズンを迎える10月から11月は、市内の川が氾濫して、旧市街が水浸しになることも。そのため、比較的気温が低く、雨も少ない乾季の3月から5月ごろが観光におすすめのシーズンです。

景観の維持と保全の目的から、ホイアンの観光名所に入場する際には、「観光チケット」が必要です。チケットは5枚綴りで、値段は120,000vnd(約660円)。ホイアン観光局が指定する22カ所の観光地のうち、5カ所を選んで入場することができます。旧市街の各所に総合チケット売り場があるため、事前に購入しておきましょう。

ホイアンへの行き方

ホイアンには駅や空港がないため、ホイアンへ行くにはダナンを経由することになります。ダナンからホイアンまでは、車でおよそ30分から50分程度の道のりです。事前にタクシーを手配するか、配車アプリ「Grab」の利用をおすすめします。いずれも相場は片道約400,000vnd(約2,200円)前後です。

また、ホテルによっては、ホイアンまでのシャトルバスを提供していることもあるため、詳細は宿泊するホテルにお問い合わせください。

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「古都ホイアン」が世界遺産に登録された理由は?

「古都ホイアン」は、1999年に世界文化遺産に登録されました。ベトナム戦争などの戦禍を免れて、かつて港町として栄えた歴史ある街並みを現代まで残し、今なおその景観を維持しながら人々は暮らしています。また、実はかつて日本もホイアンと深い関わりがあったことを知っていますか?ここではホイアンの歴史的背景や日本との関係性を紐解いていきます。

ホイアンの歴史と旧市街の魅力

ホイアンはチャンパ王国時代からの古い港町です。16世紀ごろから国際的な貿易港として繁栄し、中国や日本のほか、インド、アラビア、ヨーロッパの商人がこの町を拠点として活動しました。

日本との貿易も盛んであったため、多くの日本人が移り住みました。当時は日本人街のほか、中国人街も形成され、中国の影響も大きく受けたことから、中国の名残が残る史跡も多く存在します。各国との文化的交流により、中国風建築の中にも、さまざまな建築様式が混在し、世界で唯一とも言えるようなノスタルジックな街並みが魅力となっています。

17世紀ごろからは、日本の鎖国や中国との貿易停滞などから、次第にホイアンはかつての栄光を失っていきます。その後は航海上の理由として、貿易の拠点は現在のダナンへと変わっていきました。

ホイアンと日本の関わり

ホイアンが国際的な貿易港として栄えていた時代、当時の日本の江戸幕府はホイアンへ朱印船を送り、さまざまな国と貿易を行っていました。最盛期には1000人以上もの日本人がホイアンに住んでいたとも言われ、ホイアンと日本の深い関係性が伺われます。ホイアンとの関係は日本の鎖国が進むまで続きましたが、その後は江戸幕府の海禁政策により往来が途絶え、ホイアンから日本人は離れていくこととなりました。

ホイアンの見どころ

歴史情緒溢れる街であるホイアンは、観光地としても人気が高く、世界中から多くの旅行客が訪れます。ここでは多くの観光名所の中から、日本人なら必ず押さえておきたい「日本橋(来遠橋)」と、ホイアンの夜を彩る「ランタン祭り」の魅力をご紹介します。

日本橋(来遠橋)

ベトナムの2万vnd紙幣の裏面に描かれていることでも有名な「日本橋(来遠橋)」。貿易でホイアンを訪れた当時の日本人が架けたとされる橋で、ホイアンのシンボル的な存在です。屋根付きの木製の太鼓橋で、1953年に造られたとされています。

橋の両側には猿と犬の像が祀られ、これは申年に建築が始まり、戌年に完成したことを意味していると言われています。夜になるとライトアップが行われて、街の幻想的な灯りに馴染んだ、情緒ある佇まいを見ることができます。

街の夜を彩るランタン祭り

ホイアンでは、毎月旧暦14日、満月の夜に「ランタン祭り」が行われます。夕暮れ時になると、街からは街灯や店頭の明かりが消えて、ランタンだけの幻想的な空間が浮かび上がります。もともとは死者を弔う祭りとされ、ホイアンでは縁起物のランタンを吊るして邪気を祓う風習があるそうです。

トゥボン川周辺のバクダン通りでは「灯籠流し」を行っており、売り子からランタンを購入できます。また、手漕ぎボートに乗って景色を楽しむこともおすすめです。

ランタン祭りの日程は毎年変わるため、事前にスケジュールを確認しておきましょう。

歴史や魅力あふれる世界遺産ホイアンを巡りませんか?

今回は世界遺産「古都ホイアン」の歴史や見どころについてご紹介しました!実際にホイアンを訪れる前に、少しでも歴史的背景などを知ることで、より深く観光を楽しめるのではないでしょうか?異国情緒溢れるノスタルジックな街並みと、ランタンで彩られた幻想的な夜をぜひ原地で体験してみてください。

ホイアン入場券の売り場はこちら

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