ベトナム中部にある世界遺産のミーソン遺跡(ミーソン聖域)。四方を山に囲まれ、北側には聖山・マハーパルヴァタがそびえる自然豊かな場所にあります。山の中とはいえ、ダナンとホイアンのどちらの都市からも程近い距離にあり、半日観光もできます。多くの人が行き交う活気のあるダナンとホイアンも素敵ですが、のどかな時間がたゆたうミーソン遺跡には都市部とはまた違った魅力がたくさん。
今回はミーソン遺跡の魅力と、ミーソン遺跡へのツアー・行き方をご紹介します。神秘的なミーソン遺跡を訪れて、より充実したダナン旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。
目次
ミーソン遺跡(ミーソン聖域)とは
ミーソン遺跡(英語名:My Son Temple Complex)は2世紀末から17世紀にかけてベトナム中部で栄えたチャンパ王国の寺院や祠堂の遺跡群です。あたりには木々が生い茂り、草むす遺跡が立ち並ぶ様子はとても神秘的でおごそかな雰囲気に満ちています。チャンパ王国は経済の中心地をホイアンに、政治的中心地をベトナム中部の都市・チャキェウに置き、現在ミーソン遺跡のある一帯は宗教的聖域として多くの寺院を建立しました。これがミーソン遺跡がミーソン聖域とも呼ばれる理由です。
ミーソン遺跡の歴史とロマン
チャンパ王国では4世紀から13世紀にかけて聖域・ミーソンにたくさんのヒンドゥー教寺院が建立されました。王国が滅亡してからは忘れ去られていた遺跡群は、フランス統治時代の1885年にフランス人の研究家であるアンリ・パルマンティエによって再発見。1999年にはユネスコの世界遺産に登録されています。
長い間放置されていたこととベトナム戦争の爆撃を受けたことで完全な形では残っていませんが、崩れかけた遺跡には歴史のロマンを掻き立てられるものがあります。比較的保存状態が良い遺跡群のエリアは見ごたえがあり、ヒンドゥー教の神を祭った祠堂や寺院の塔など、在りし日の神聖な空気を感じることができます。
ミーソン遺跡では現在も発掘作業が続けられており、眠ったままの魅惑的な遺跡がまだまだ発見されるかもしれませんね!
ミーソン遺跡の魅力
ミーソン遺跡はインドやクメール(現在のカンボジア)文化の影響を受けており、カンボジアのアンコールワットを彷彿とさせるような遺跡をいくつも見ることができます。建築年代ごとに異なる様々な建築様式も見どころの一つで、聖地として長い間人々の崇拝を受けていました。
レンガ造りの建物はセメントや漆喰などの接着剤を使った跡がなく、高い建築技術で造られています。遺跡にはカーラやガジャシンハなどヒンドゥー教に関係するレリーフや、未だに解明されていないチャンパ文字が刻まれた碑文など、ミステリアスな当時の文化に思いをはせるのも良いでしょう。
聖なる山・マハーパルヴァタを背にたたずむ遺跡の周囲には豊かな自然が残り、森林浴のヒーリング効果でリフレッシュにもぴったり。ちなみに、ミーソン遺跡のある地域の養蜂場でとれた「純粋はちみつ」は濃厚な味でおみやげとして好評です。
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ミーソン遺跡の見どころ
ミーソン遺跡の遺跡群はそれぞれグループAからグループLに分けられていて、ぐるっと一周すればほとんどの遺跡を見てまわることができます。基本的に発掘された順にアルファベットが付けられているので、アルファベット順が早いほど発掘や修復が進んでいます。
ミーソン遺跡内のまわりかた
ミーソン遺跡の切符売り場から遺跡のある場所までは約2.5km。歩いて森林浴を楽しむのもいいですが、無料のカートなら約5分で到着するので、こちらがおすすめです。
グループA~Lの遺跡群の中で、特に見ごたえがあるのが「グループBCD」。グループBCDはミーソン遺跡の中で最も保存状態がよく、祠堂や祭壇など多くの建築物が見られる人気のスポットです。美しいレリーフなどを展示している展示室もあり、このエリアだけでもミーソン遺跡を満喫することができます。
すべての遺跡をじっくり見ようとすると約3~4時間かかりますが、ハイライトだけなら1~2時間ほど。遺跡の周囲は切り開かれていて日陰がないため、帽子や水分など暑さ対策は忘れずに。山の中なので蚊よけのスプレーなども必要です。
ミーソン遺跡をより楽しめる!伝統舞踊ショーと博物館
ミーソン遺跡の敷地内にある遺跡管理施設ではチャンパ王国の末裔ともいわれている少数民族・チャム族の伝統舞踊ショーが1日4回行われています。
開催日は毎日で、開始時間はそれぞれ、9:15、10:45、14:00、15:30です。エキゾチックな衣装に身を包んだ踊り子たちの魅惑的な舞踊を見られるのは貴重な体験。無料で見られるので、遺跡とあわせて楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、ミーソン遺跡をふくむチャム遺跡から出土した石造や彫刻などは、ミーソン遺跡のゲート近くにある展示室とダナン市内のチャム彫刻博物館などで見ることができます。見どころは男性器を象徴する石像「リンガ」と女性器の石像「ヨニ」。子孫繁栄を願って作られたとされています。
ミーソン遺跡への行き方・ツアー
ミーソン遺跡へのアクセス方法は車です。ダナンからは約1時間30分、ホイアンからは約1時間強のところにあります。
ミーソン遺跡への行き方は主に、
- 旅行会社からミーソン遺跡観光のあるパッケージツアー(オプショナルツアーふくむ)を利用する
- ツアー会社からミーソン遺跡の現地ツアーを申し込む
の2種類。
ここではツアー会社を利用する方法をご紹介します。
日本のツアー会社と現地のツアー会社
ツアー会社は大きく分けて、日本のツアー会社と現地のツアー会社の2つです。それぞれの特徴を紹介します。
日本のツアー会社の特徴
- 日本語で申し込める
- 日本の会社なので安心
- 現地ツアー会社に比べて料金が高い(9,000円~12,000円ほど)
現地ツアー会社の特徴
- 値段が安い(3,000円~6,000円ほど)
- ミーソン遺跡ツアーのある会社も多く、日程や時間帯などの選択肢が多い
- 日本語ガイドや日本語が話せるスタッフがいるかどうかは会社による
外国語が苦手で信頼度を重視するなら日本の会社がおすすめです。費用をおさえたい方には現地の会社がおすすめ。ベトナム語が話せなくてもダナン・ホイアンには英語が話せるスタッフがいることが多いです。もし英語が通じなくても、翻訳アプリを入れておけばコミュニケーションをとることはできますよ。
ミーソン遺跡と世界遺産のホイアンも一緒に観光
ミーソン遺跡観光ツアーには、ダナンから出発してミーソン遺跡を観光後、ホイアンで降ろしてくれるものもあります。ダナンとミーソン遺跡を観光したら、そのまま世界遺産の古都・ホイアンを観光することができて、とても便利。ホイアン発・ダナン着のコースがある会社もあるので、予定に合わせて選ぶといいでしょう。「Danang Holic(ダナン・ホリック)」ではミーソン遺跡の日本語ツアーの手配を行っています。日本語が堪能なガイドがミーソン遺跡をじっくりご案内します。ツアーをご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
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ミーソン遺跡でダナンをもっと楽しむ
今回は世界遺産にも登録されているミーソン遺跡をご紹介しました。木々が生い茂る山の中に草や苔と共に今もなお残る遺跡は長い歴史を感じさせ、凛とした空気にあふれています。
解明されていないチャンパ王国の詳細やチャム文字なども神秘的な美しさを惹きたてていますね。最盛期には60もの祠堂が存在していたとも考えられていて、今後も新たな遺跡が発掘される可能性があるのも魅力のひとつです。
ダナンに訪れた際にはぜひ、ミーソン遺跡にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
ミーソン遺跡の基本情報
ミーソン遺跡公式サイト(日本語あり)