SIMやWi-Fiをはじめとする現地のインターネット環境は、海外旅行の準備をする上で特に気になるポイントです。
本記事ではこれからベトナム旅行を予定されている方に向けて、ベトナム・ダナンでのSIMカードの準備方法や、現地Wi-Fiの利便性、ポケット型Wi-Fi(モバイルWi-Fi)の必要性について、それぞれのメリット・デメリットを交えながら詳しく解説していきます。
おすすめのポケット型Wi-Fiショップや、それぞれの通信サービスのメリット・デメリットについても紹介しています。ベトナム渡航前に是非チェックしてみてください。
目次
ベトナム渡航前にSIMカードを準備
海外旅行で欠かせない準備のひとつが「SIMカード」です。手続きをしっかり行わないと、旅行中にスマートフォンが使えなくなるといったトラブルに見舞われる可能性があります。そうした事態を防ぐために、SIMカード・eSIMの設定方法や購入手順を事前に確認しておくことが大切です。
電話番号付きSIMカードの相場は、7日間通話・データ通信が無制限で16.5万VND(約1,020円)程度。eSIMでは7日間1日1GBのプランが約700円〜800円程度で比較的リーズナブルに利用可能です。それぞれの特徴を理解して、自分に合った選択をしましょう。
現地で受け取るSIMカード
SIMカードを購入する方法は、大きく分けて3種類あります。
- 日本で事前予約し、ベトナム現地の空港で受け取る方法です。この方法は、日本で手続きを済ませられるため、言語やプラン選びに不安がある方でも安心して利用できます。
- ベトナム空港内のショップでその場でSIMカードを購入する方法です。事前準備がほとんど必要なく、購入後すぐに使える手軽さが魅力で、多くの観光客に選ばれています。事前準備に時間をかけたくない方に最適です。
- 現地のモバイルショップで直接購入する方法です。手続きが少し複雑な場合もありますが、長期滞在者や滞在先近くでSIMカードの更新や変更をしたい方におすすめです。
オンラインでスムーズなeSIM
近年では物理的なSIMカードが不要なeSIMの利用率が高まってきています。eSIMはオンラインで契約から設定までが完結でき、店舗に行ったりSIMカードを入れ替える必要がないので便利です。一方で、説明書を読みながらQRコードの読み取りやプロファイルの設定を自ら行う必要があります。日本で設定を完了しておけば、ベトナムに到着して設定をオンにするだけですぐに使えるようになります。
SIMカード/eSIMについての詳しい情報が知りたい方は、下記の記事をご参照下さい。
屋内では至る所でFree Wi-Fiが飛び交う
ベトナムではスマートフォンの利用率はかなり高いですが、一方でインターネットが開通していない家庭も少なくありません。そのため、カフェや商業施設では無料のWi-Fiを提供しているところがほとんどです。基本的に日本で使うときと同様に、接続や利用ができます。
Wi-Fiの接続方法
iPhone の場合、設定からWi-Fiを開いて、上部に表示される鍵マークがついていないものが、誰でも自由に使えるFree Wi-Fi(フリーワイファイ)です。店舗と同じ名前のWi-Fiが表示されない場合や、パスワードがかかっている場合は、店員さんに直接聞いてみましょう。Wi-Fi設定の画面を開いて見せると、該当するWi-Fiを選んでパスワードを入力し接続してくれます。
一部のお店では時間制限やログインが求められる場合も
ショッピングセンターや大型チェーン店などでは、Wi-Fiを接続する際に、施設が運営するサイトが表示され、アンケートやログインを求められることもあります。また、一度接続しても1時間毎に再ログインが必要な場合もあります。カフェなどでオンラインミーティングやデータのダウンロードなど、ネット環境が重要な作業を行う場合は要注意です。
ダナンの無料Wi-Fiはどれくらい快適?実際に回線スピードを計測してみた
本章では、ダナンで無料Wi-Fiが使える場所や利用方法、実際に現地で測ったWi-Fiの回線スピードを紹介します。インターネットを快適に利用するために必要な回線スピードは、一般的に「10Mbps〜30Mbps」とされています。LINEやSNSでメッセージを送る程度であれば1Mbpsで十分ですが、動画視聴には20Mbps程度、オンラインゲームを快適に楽しみたい場合は40Mbps以上を目安にすると良いでしょう。
ダナン国際空港|40Mbps
ダナン国際空港に到着すると「#WiFiDanangAirport」という空港のFree Wi-Fiが利用できます。しかし、利用者が多いためか、そのWi-Fiを選択しても「インターネット未接続」とオレンジの文字が表示されることがあります。接続までに30分以上かかることもあり、確実に接続できるとは限りません。空港内にはベトナムの広告代理店のFree Wi-Fiが飛んでいるので、空港のFree Wi-Fiがうまく接続できない場合は試してみると良いでしょう。
カフェ・レストラン|10Mbps〜70Mbps
カフェやレストランではWi-Fiが利用できるところがほとんどですが、セキュリティーのためロックをかけているところも少なくありません。店員さんに声をかけるのも一つの手ですが、レシートにWi-Fiパスワードが記載されているところもあるので、確認してみましょう。また、Highlands Coffee(ハイランズ コーヒー)のような、ベトナムで有名な大手カフェチェーン等では、Wi-Fiを利用する際に専用のサイトが表示され、性別や生年を入力する簡単なアンケートを求められる場合があります。
ホテル・ゲストハウス
ホテルやゲストハウスでは、ほぼ100%無料でWi-Fiを利用できます。パスワードなしで利用できるところもありますが、パスワードが必要な場合はフロントデスクやオートロックカードキー、ルームサービスメニュー表に記載されていることがあるのでチェックしてみてください。
ショッピングモール|10Mps〜70Mbps
大型ショッピングモールのFree Wi-Fiを利用する際は、接続時に性別や生年など簡単なアンケートを求められる場合があります。個人利用を避けるために、利用時間を1時間に制限しているケースも少なくありません。制限時間を超えた場合は、設定画面からWi-Fiを再度選択し、同様にアンケートに答えると引き続き利用できます。
ポケット型Wi-Fi(モバイルWi-Fi)のメリット・デメリット
海外旅行に行く際、渡航前や現地で旅行期間中にポケット型Wi-Fiのレンタルを検討する方も多いのではないでしょうか。
本章ではポケット型Wi-Fi(モバイルWi-Fi)のメリット・デメリットを3つずつ紹介します。どのようなシチュエーションで役立つのか、またはどんな欠点があるのかを確認し、あなたの旅行スタイルや利用目的に照らし合わせて参考にしてみてください。
メリット①:複数人・多機種で接続可能
ポケット型Wi-Fiは一つのツールで複数人または複数のデバイスを同時に接続することができます。そのため、家族や友人など大人数で旅行する際におすすめです。また、仕事をしながら旅をするワーケーション中の方や、滞在中に複数のデバイスを利用する方にも最適です。
メリット②:情報の安全性が確保できる
ポケット型Wi-Fiは、個別に暗号化された接続を利用しているため、第三者による傍受がされにくい仕組みになっています。そのため、現地のカフェなどで利用する無料Wi-Fiと比べて、パスワードやクレジットカード情報などの個人情報が不正に盗まれるリスクや、個人アカウントや機密情報への不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
メリット③:使い方が簡単
eSIMなどと比べて、設定や接続方法が簡単で、一度接続すれば旅行中ずっと使用可能です。また、日本語サポートが付いているサービスを選べば、万が一接続がうまくいかなかったり、本体の表示に不具合があった場合でも、迅速に対応してもらえるので安心です。
デメリット①:バッテーリーが切れるとWi-Fi接続ができなくなる
ポケット型Wi-Fiの連続通信時間は一般的に8〜12時間とされており、日中の外出時には十分な稼働時間です。しかし、それ以上の長時間利用ではバッテリー切れの可能性があります。そのため、モバイルバッテリーを携帯したり、使用しない場合は電源を切ったり、省電力モードを活用するなどの工夫が必要です。
デメリット②:受け渡しの手間がかかる
ポケット型Wi-Fiは、日本国内で本体を受け取り、帰国後に返却する必要があります。ショップによって、店舗受け取りや自宅配送など受け渡し方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。空港での受け渡しサービスを提供しているショップなら、出国前に指定カウンターでスムーズに受け取ることができます。
デメリット③:かさばるので持ち運びが大変
スマートフォンに埋め込むSIMなどと異なり、ポケット型Wi-Fi本体は一定の大きさや重さがあります。さらに本体に加えて、充電器やケーブル、場合によってはモバイルバッテリーも一緒に持ち歩かなければならず、荷物がかさばってしまうのが難点です。特に軽量化を重視する旅行者にとっては、これらを常に持ち運ぶことが負担になることがあります。
ベトナムで使えるおすすめポケット型Wi-Fi(ワイファイ)5選
SIMの交換やeSIMの手続きなどが苦手な方は、接続が簡単なポケット型Wi-Fiがおすすめです。本章では、ベトナムでご利用できるポケットWi-Fiを5つ紹介いたします。
海外WiFiレンタルショップ
賢く節約したい方や複数の国を訪れたい方にお勧めしたいのが「海外WiFiレンタルショップ」。本体代が1日あたり220円かかりますが、電源を入れた日だけ通信料がかかる仕組みなので、使用しない日はコストを抑えることができます。ベトナムの場合だと1日あたり1GBで500円、無制限で650円と通信料もかなりリーズナブルです。最大接続数も最大10台となっているので、大人数の旅行時でも利用可能です。
Trip WiFi
使いたい時に必要な分だけデータをチャージして使える「Trip WiFi」。本商品と従来のポケット型Wi-Fiの大きな違いは、本体をレンタルではなく購入する点です。本体価格は19,580円と初期費用がかかりますが、通信料を抑えることが可能です。通信料は1週間あたり1GBで500円と低価格で、使用しない期間は基本料金がかかりません。さらに、本体を受け取る手間がないため、海外出張が多い方や頻繁に海外旅行を楽しむ方に特におすすめです。
ベトナムDATA
ベトナムの旅行や出張でデータ使い放題にしたいけど、出来るだけ費用を抑えたいという方におすすめしたいのが「ベトナムDATA」。人気の無制限プランは、本体料金なしで1日あたり750円で利用できます。国内空港での当日受け取りに加え、出発の3日前までに注文すれば、自宅まで送料無料で本体を届けてくれます。さらに、同時接続台数が最大10台となっているため、1台で家族や友人のデータもカバーできるのが嬉しいポイントです。
WiFiトラベル
日本国内でも渡航先でもWi-Fiが使える「WiFi トラベル」。渡航2日前に本体の受け取りが可能で、国内にいる間は無料で1日あたり1GBまで利用可能です。1GBを超えると速度制限がかかってしまいますが、追加料金は発生しません。同ショップの「アジア周遊プラン」は、東アジアや東南アジアを中心に約13カ国に対応しており、1台で国をまたいで利用できます。アジア以外にも、ヨーロッパや世界各国を周遊できるプランも提供しているので、旅行スタイルに合ったプランを探してみましょう。
イモトのWiFi
24時間の安心サポート付きで高速通信が手に入る「イモトのWiFi」。利用する国によって通信料が大きく異なりますが、ベトナムの場合は公式サイト内最安値の1日あたり500MBで500円となっています。本体の電源を入れて表示されるパスワードをスマホのWi-Fi設定画面に入力するだけなので、初心者でも簡単に利用できます。
ベトナムのインターネット事情まとめ
ベトナム、ダナンでの利用可能なSIMカードやWi-Fiに関する情報を徹底解説しました。いかがでしたか?目的地のルート検索や通貨の換算、翻訳アプリの利用など、スマートフォンが欠かせない現代において、安定したインターネット環境の確保は非常に重要です。各サービスのメリット・デメリットをまとめた表を参考に、渡航前に適切なSIMやWi-Fiを予約し、快適でストレスのない旅を楽しみましょう。
種別 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ポケット型Wi-Fi | 複数台・複数人での接続が可能 | バッテリーが切れると接続ができない |
暗号化された接続で安全性が高い | 本体の受け取り・返却が必要 | |
設定が簡単で一度接続すると旅中ずっと使える | かさばるので持ち運びが大変 | |
SIMカード | 現地でリーズナブルに入手可能 | 設定や説明に時間がかかる |
データ通信が安定して利用可能 | 通話やSMSが必要な場合は別途プラン加入が必要 | |
長期滞在や1人利用に最適 | ― | |
eSIM | 店舗に行かずにオンラインで手続きが完了 | QRコードの読み取りやプロファイル設定などがやや複雑 |
物理的なSIMカードが不要 | 古い機種やアンドロイドなどは対応端末が限られる | |
複数国対応がスムーズ | ― | |
現地Free Wi-Fi | 無料で利用可能 | 安全性が低く、個人情報が第三者に傍受される危険性がある |
カフェやショッピングモールなど多くの場所で利用可能 | 接続が不安定な場合やログインが必要な場合あり |