ベトナムの世界遺産と言えば、「ハロン湾」や「ホイアン旧市街」が有名ですが、実はベトナム国内には、全部で8個の世界遺産があることをご存知ですか?雄大な自然やノスタルジックな古い街並み、歴史を感じる遺跡など、世間ではあまり知られていないけれども、さまざまな魅力溢れる世界遺産が多く登録されています。
ベトナムの世界遺産は、観光客がアクセスしやすい場所が多いのも特徴です。ベトナム旅行の際は、ぜひ世界遺産めぐりをしてみてはいかがでしょうか。今回は一生に一度は絶対に訪れてみたい、ベトナムの世界遺産8カ所を全てご紹介します。
目次
ベトナム8つの世界遺産
ベトナムには、世界遺産が計8カ所あります。その数は、東南アジアの中ではインドネシアの9つに次いで、2番目の多さです。文化遺産が5カ所、自然遺産が2カ所、複合遺産が1カ所ありますが、それぞれベトナム北部と中部に集中しています。そのため、一度の旅行でより多くの世界遺産を巡りたい場合は、北部のハノイまたは中部のダナンを観光拠点とするのがおすすめです!
世界遺産一覧
- フォンニャ=ケバン国立公園(自然遺産)
- フエの建造物群(文化遺産)
- ミーソン聖域(文化遺産)
- ホイアン旧市街旧(文化遺産)
- チャン・アン複合景観(複合遺産)
- ハロン湾(自然遺産)
- 胡朝の城塞(文化遺産)
- ハノイのタンロン城跡跡中心地区(文化遺産)
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ベトナム中部の世界遺産
ベトナム中部の世界遺産を巡る場合、ダナンを観光の拠点とするのが便利です。人気の「ホイアン旧市街」へは車で1時間程度、ベトナム最後の王朝・グエン朝の首都フエへも、車で2〜3時間程度でアクセスできます。
フォンニャ・・ケバン国立公園(自然遺産)
フォンニャ・・ケバン国立公園は、クアンビン省の山中に位置し、2003年に世界遺産に登録されました。国立公園の約9割は原生林で覆われており、固有種や絶滅危惧種を含む1000種を超える動植物が生息しています。
約4億年前に形成された、世界最大級でアジア最古のカルスト地形が特徴で、広大なエリアには大小300もの鍾乳洞が存在します。中でも一番の見どころは、全長8キロメートルにも及ぶ巨大な「フォンニャ洞窟」。約2億5000万年以上前にできたとされ、東洋で最も美しいと言われる鍾乳洞です。
フエの建造物群(文化遺産)
フエはベトナム最後の王朝、グエン朝の都として栄えた街です。フエ市内の旧市街には、中国の紫禁城をモデルにした王宮のほか、歴代皇帝のお墓、寺院など、多くの歴史ある建物が残されており、その建造物群は1993年に、ベトナム初の世界遺産として登録されました。また、「フエの宮廷雅楽」も無形文化遺産として登録されています。
グエン朝は、内乱が続くベトナムを、フランスの援助により統一したザーロン帝が1802年に創設。以降、動乱の時代を迎えながらも、13代143年間にわたって覇権を握りました。かつての繁栄を色濃く残す建造物からは、ベトナムの歴史を感じることができます。
ミーソン聖域(文化遺産)
ミーソン聖域は、クアンナム省にある古代チャンパ王国の遺跡群で、1999年に世界遺産に登録されました。ホイアンから内陸へ、南西に40kmほど離れた場所に位置します。チャンパ王国は、2世紀から17世紀頃まで存続し、インド文化を受容していました。
一番の見どころは、ヒンドゥー教の神々を祀る、大小70余りの焼成レンガで造られた祠堂。優れた建築技法と巧みな彫刻などからも、当時のチャンパ王国には高度に発達した文化が存在していたことが証明されています。草木に埋もれた遺跡群には、今も多くの謎が残り、解明に向けた発掘作業が続いています。
ホイアン旧市街旧市街(文化遺産)
海に面したホイアン旧市街は、ダナン国際空港から車で40分ほど、かつて国際貿易都市として栄えた港町で、1999年に世界遺産に登録されました。16世紀頃、ポルトガル人やオランダ人、中国人、日本人などが来航する貿易都市として発展。ベトナムの文化と海外からきた文化が混ざり合い、エキゾチックかつノスタルジックな美しい街並みが特徴です。
定住した日本人商人の日本人町があったことも有名で、1953年には屋根付き太鼓橋の日本橋「遠来橋」が築かれました。毎月旧暦14日の満月の夜には、旧市街が色鮮やかなランタンで彩られる、ランタン祭りも開催されます。
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ベトナム北部の世界遺産
ベトナムの首都ハノイを中心とした北部には、複合遺産、自然遺産、文化遺産がそれぞれあります。観光名所のハロン湾から、直近に登録されたチャン・アン複合遺産まで、幅広い世界遺産をお楽しみいただけます。
チャン・アン複合景観(複合遺産)
チャン・アン複合景観は、首都ハノイから南に約100kmほどのニンビン省に位置します。「陸のハロン湾」とも呼ばれ、石灰岩や洞窟、河川と盆地が織りなす美しい景観が特徴です。約3万年前の人類の生活跡が発見された洞窟や、古都ホアルーなど、その文化的価値も認められたことから、2014年にベトナムで唯一の複合遺産として登録されました。
まだまだ観光地化がされていていないチャンアンは、ボートクルーズでゆったりと美しい景観を楽しむのがおすすめです。
ハロン湾(自然遺産)
ベトナムの世界遺産と言えば「ハロン湾」と言っても過言ではないほど、世界中の観光客が訪れる定番スポットです。首都ハノイから約160kmほど北西に位置するハロン湾は、1994年に世界遺産に登録されました。ハロン (Hạ Long)はベトナム語で「竜が降り立つ」ことを意味し、天から降り立った竜が、侵略者からこの地を守ったという伝説があります。
エメラルドグリーンに輝く海には、大小3000以上もの奇岩や島が浮かび、幻想的な景観を作り出しています。見る角度や時間、天候によって全く違う雰囲気を楽しめるのも特徴です。
胡朝の城塞(文化遺産)
ハノイから南へ140kmに位置するタインホア省にある胡朝の城塞は、2011年に世界遺産として登録されました。胡朝は、1400〜1407年のわずか7年という短命で滅びた王朝です。高さ7メートルの城壁が東西約700メートル、南北約900メートルにも及ぶ長さで造られました。川と山が交わるこの美しい場所は、風水の原理に従って選ばれたとされています。
広い平野に佇む城塞は、当時は東西南北に4つの門が存在しましたが、現在は南の城門のみ見学することができます。
ハノイのタンロン城跡跡中心地区(文化遺産)
ハノイのタンロン城跡跡中心地区は、首都ハノイの中心部にあり、2010年に世界遺産に登録されました。新国会議事堂の建設にあたって行われた2002年の発掘調査により、様々な時代のベトナム王朝の遺跡が重なるように発見されました。「昇竜」を意味するタンロン (Thăng Long) は、場所によって異なる時代の遺跡を見ることができる珍しい場所です。
中国の支配を退けた後、11〜19世紀の歴代ほとんどの王朝がタンロンを都としました。最後の王朝、グエン朝がフエに創建されるまでの約800年間もの遺跡が眠っていたことになります。発掘調査は現在も進行中のため、観光客は遺跡の一部のみ見学が可能です。
自然、遺跡、街並みなど、さまざまな魅力あふれるベトナムの世界遺産を巡ってみませんか?
今回はベトナム国内の8つの世界遺産をご紹介しました。美しい自然が作り出す絶景や、歴史情緒溢れる遺跡まで、ベトナムには幅広い要素が混じり合った魅力的な世界遺産が多くあります。どの場所を選んでも、忘れられない思い出になることは間違いないでしょう。ぜひベトナム旅行の機会には、世界遺産を巡ってみてはいかがでしょうか?
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