「リンムーパゴダ(リンムー寺)」としても知られる「ティエンムー寺」は、歴史的な美しさとフエ王家文化で有名な古都フエにある塔です。 1601年(広南朝時代)にグエン ホアン卿のもとに建てられました。
100を超えるたくさんのお寺があるフエの中でも、最も神聖で美しいお寺のひとつとなっています。 ユニークな建築と深い歴史的価値を持つこの塔には、毎年世界中から何千人もの観光客が訪れています。
目次
「ティエンムー寺」の所在地と名前の由来と意味
「ティエンムー寺」はフエの中心部から約5kmほど離れた「グエン フック グエン通り(Nguyen Phuc Nguyen street)」にあります。 この塔は「香水川(Huong River)」から突き出た丘の上に位置し、魅力的な川と山に囲まれた美しい自然の風景を見ることができます。
「ティエンムー寺」の誕生は伝説となってフエの街に今も受け継がれています。当時、グエン ホアンという名の領主がフエを訪れました。夜になると、赤いシャツと緑のズボンを着た老婆が丘に現れ、【いつか支配者が現れ塔を建て、天地の精髄(最も重要な本質)を集め、 そして新しい国を作るでしょう】 と告げました。グエン・ホアン卿は話に出てくる支配者が自分自身であると信じ、 1601年彼は丘に塔を建て、「ティエンムー寺(天老寺)=天から来た神聖な老婦人」と名付けました。
1862年第4代王トゥドゥク王の治世中に、子供を望む彼は「ティエン」という言葉が天を傷つけることを恐れた王は、「ティエンムー」という言葉を「リンムー(霊老寺)」に変えました。 その為、現在この塔は「ティエンムー寺」と「リンムー寺」の両方の名前で呼ばれています。
1904年に街を襲った嵐により、「ティエンムー寺」は多くの作品が破損してしまうほどの甚大な被害を受けました。
1907年にタイン タイ国王によって再建されましたが、「ティエンムー寺」に建つ塔は当時ほど大きくはありません。しかし、現在の塔には一見の価値のある作品が多く現存しています。
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「ティエンムー寺」の見どころを解説!
続いて、ティエンムー寺を周って観光する際の見所を解説します。
①トゥニャン塔(フックズエンタワー)
ガイドブックやお土産などで「トゥニャン塔」の写真を見たことがある方も多いのではないでしょうか。「トゥニャン塔」は、「ティエンムー寺」の最も有名なシンボルとなっています。
別名「フックズエンタワー」とも呼ばれるこの塔は高さ約21mほどある7階建てで、各階には仏像が安置されています。 内部には最上階へ続く螺旋階段があり、かつては黄金の仏像が祀られていました。残念ながらこの仏像は戦時中に盗まれてしまい現在はありません。
②三門(トリプルゲート)
三門は、ベトナムの最も特徴的な門建築の 1 つです。このタイプの門は、ベトナムフエ王宮・仏塔・寺院などの建物で見ることができます。三門の門には扉が3つあり、真ん中の扉は神や王のための扉となっていて開きません。両側の2つの門は通行可能です。
「ティエンムー寺」の3つの入り口に建つ門の上には、伝説に登場する聖なるムー夫人と、寺を建てたグエン ホアン卿を再現した像が置かれています。 門の両側には 2 人の神の像があり、白い顔の神は善を表し、黒い顔の神は悪を表しています。
③正殿
「ティエンムー寺」のメインとなっている建物。お香の煙が立ち込める幻想的かつスピリチュアルな空間は、訪れる者を特別な感覚へと誘います。正殿の外には大きなブッダの仏像が置かれていて、とても荘厳な存在感を放っています。
ガイドさん曰く、「この仏様は、みんなの悩みや願いを聞いてくれる幸せな神様」だそう。 また、本堂内に入って焼香やお参りをすることも可能です。その際は神聖な場所に敬意を表し、長ズボンを着用するなど服装やマナーに気を付けましょう。騒いだり笑ったりは禁止されています。
④故ティククアンドゥック僧侶の自動車展示エリア
ここには非常に重要な遺物である、故ティククアンドゥク僧侶の車も展示されています。 ティククアンドゥク僧侶は、愛国心に満ちた僧侶としてベトナムでとても有名な人物。1945年以降ベトナムは南北に分断され、南政府はアメリカ帝国主義に支配されました。それに反発した彼は1963年6月11日、南部政府による仏教弾圧に抗議するためこの車でサイゴンの交通量の多い交差点を運転し焼身自殺を実行。
ツアーガイドが伝えている伝承では、その当時僧侶の遺体は焼かれて死んでいたが、心臓だけは無事だったそう。その後、人々は心臓を4,000度以上の火で何時間もかけて焼こうとしましたがそれでも燃えず、魔法のように無傷なまま心臓は岩のような固い塊に変化しました。それはティク・クアン・ドゥク僧侶の偉大かつ頑固な愛国心を証明していると言われています。
⑤広大な敷地に作られた緑豊かな庭園
広大な敷地を持つ「ティエンムー寺」は、丁寧に手入れされた美しい庭園も必見。緑の芝生や涼しい木々、目の前には開放感溢れる湖が広がっています。また庭園に流れる涼しい空気はとても涼しく、写真を撮影をするにも最適です。
緑豊かな庭園は趣のある雰囲気に包まれていて、フエの歴史と共に自然を体感できる場所となっています。忙しい日常からしばし離れて、この場所でゆっくりとした時間を過ごしてみるのもおすすめです。
「ティエンムー寺」を訪れる際の注意点
「ティエンムー寺」は8:00~18:00まで無料で入ることが可能で、入場券などは必要ありません。ですが「ティエンムー寺」は神聖な場所ですので、訪れる際は適切な服装を意識しましょう。
ショートパンツ・袖のないシャツ・膝上の短いスカートはあまり好まれないので避けておくと無難です。そして気を付けるべきマナーは、寺院内で笑ったり、話したり、冗談を言ったりしないことです。また、礼拝のために入る場合は、サンダルと帽子は脱いでおきましょう。
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フエやベトナムが辿ってきた歴史を「ティエンムー寺」で体感しよう
「ティエンムー寺」は歴史的な建築作品であるだけでなく、ベトナムの文化と精神の象徴でもあります。訪れた観光客は趣のある美しさの中でフエの辿った歴史を探索し、開放的な庭園で平和な空間に浸ることができます。
「トゥニャン塔」や「正殿」だけでなく、ベトナムの歴史上に残る故ティククアンドゥク僧侶の車も必見。フエやベトナムの歴史をダイレクトに体感できるのは「ティエンムー寺」の大きな特徴でもあります。
基本情報
名前 | Thien Mu Pagoda |
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住所 | 140-142 Nguyen Phuc Nguyen Street, Huong Long Ward, Hue City |
電話番号 | - |
営業時間 | 8:00 - 18:00 |