ベトナム旅行を計画していて、ダナンとハノイ、どちらに行くべきか迷っていませんか?ダナンは美しいビーチと開放的なリゾートが魅力の都市。一方、ハノイは伝統と活気が共存する歴史ある都市です。
本記事では、それぞれ異なる魅力を持つ2つの都市について、特徴を比較しながらご紹介します。気候、観光スポット、グルメ、物価、治安、アクセスといった重要なポイントを詳しく比較し、それぞれの街の魅力を深掘りします。
あなたの理想の旅にぴったりの都市を見つけましょう。
目次
ダナンとハノイ!まずは基本情報をチェック

初めてのベトナム旅行を計画する際、目的地の基本情報をしっかり把握することが大切です。どちらの都市も魅力的ですが、地理的な特徴やアクセスのしやすさ、気候、街の雰囲気には大きな違いがあります。
地理とアクセスの違い
ベトナムは日本と同じように縦に長い国で、面積は約33万㎢と日本から九州を除いた広さに相当します。人口は2021年時点で9,851万人を超え、在留邦人は主にハノイとホーチミン市に集中しています。
ハノイは政治の中心地で、ホーチミン市は商業の中心地として知られ、ダナンは中部のリゾート地として人気です。気候に関しても、北部は四季があり、寒い日には5℃にまで下がることもあります。一方、南部は一年を通して25℃を超える熱帯気候です。
ダナン国際空港は市内中心部にあり、アクセスの良さも大きな魅力のひとつです。空港から市内の観光地やビーチまでは車でわずか15分から20分と移動がスムーズ。日本からは成田国際空港からの直行便が運航されており、所要時間は約5時間から6時間です。
また、2025年7月3日からは関西国際空港からダナンへの直行便がベトナム航空で再開されることが発表されました。
一方、ハノイはベトナムの首都で北部に位置し、1000年以上の歴史を誇る都市です。旧市街や文化遺産が数多く残り、近代的なビルと伝統的な建築が共存した街並みが広がっています。歴史好きや文化に触れたい旅行者にとって特に魅力的な場所と言えるでしょう。
ハノイは日本からのアクセスも良く、東京は成田や羽田、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港から直行便が運航されており、所要時間はダナンと同じく約5時間から6時間です。国内の移動手段も充実しており、国内線や鉄道、バスを利用すれば、全国各地へ簡単に移動できます。
気候&ベストシーズンの比較
ダナンの気候&ベストシーズン
ダナンは熱帯モンスーン気候に属しており、雨季と乾季がはっきりと分かれています。乾季は雨が少なく、天気が安定しているのが特徴です。海は穏やかで透明度が高く、マリンスポーツや海水浴を存分に楽しむことができます。
ベストシーズンは、乾季の3月から9月で、晴天が多く観光に最適です。特に、3月から5月にかけては日中の最高気温が25度から30度前後で、過ごしやすい気候が続きます。6月から8月には最高気温が35度を超える日も続きますが、海風が心地よく、ビーチでのアクティビティにはぴったりの季節です。
一方、9月から2月にかけての雨季は観光客が少なく、航空券やホテルの料金が安くなるため、コストを抑えた旅行をしたい方にはおすすめです。また、この時期の最低気温が19度前後のため、猛暑を避けたい方には快適な時期と言えるでしょう。
観光地も比較的空いており、景色を静かに楽しむことができるので、混雑を避けたい方にもぴったりです。
ハノイの気候&ベストシーズン
ハノイは温帯夏雨気候に属し、四季があるのが特徴です。
ベストシーズンは、春の3月下旬から5月と秋の10月から12月です。春は気温が20度から30度で湿度は約75%、街歩きにはぴったりの時期です。ホアンキエム湖やタイ湖の湖畔の花々が咲き誇り、旧市街をのんびりと散策することができます。
秋の気温は20度から28度で、最低湿度は69%から79%。青空が広がる日が多いため、名所巡りや屋外アクティビティを楽しむのに適しています。
ローシーズンは夏の6月から9月で高温多湿であり、気温は30度から38度、湿度は80%を超える日もあります。スコールも多発するため、早朝や夕方の時間帯に活動するのがベターでしょう。
12月から2月の冬は気温が10度から18度と冷え込み、特に朝晩は10度以下になることも。霧や曇りの日が多く肌寒いため、防寒対策が必要です。
街の雰囲気と特徴
リゾート地として魅力のダナン
ベトナムを代表するビーチリゾート都市であり、ココナッツの木と白い砂浜が果てしなく続いており、南国の雰囲気に包まれています。ビーチ沿いにはおしゃれなカフェや高級ホテルが立ち並び、穏やかなリラックスタイムが過ごせます。
朝はビーチで波の音を聞きながら日の出を眺めて過ごし、昼は山の中でハイキングやバイクツアー、夜はナイトマーケットで賑やかな雰囲気を楽しむなど、バラエティ豊かな過ごし方ができます。
食文化も魅力のひとつで、ダナンの代表的な料理は、日本のきしめんに似た混ぜそばのミークアン、魚の練り物が入った米粉麺のスープ料理ブンチャーカー、バインセオはパリッと焼かれたターメリック風味のクレープで、どれも日本人の口によく合います。
伝統と現代が共存するハノイの魅力
ベトナムの首都であり、長い歴史を誇るハノイは、古都としての魅力を感じさせる場所です。特に、ハノイ旧市街のハノイ36通りエリアでは、伝統的な建築が並び、賑やかな商店街が広がっています。
通りごとに異なる職人や商品が集まり、金細工や布地、漢方など、伝統的な商いが今も受け継がれています。
ホアンキエム湖はのんびりとした時間が流れるスポットで、市民や観光客の憩いの場となっています。湖の周囲では、早朝に太極拳をする人や、夕方に散歩を楽しむ人々の姿が見られ、都市の喧騒の中でも穏やかな時間が流れています。
ハノイはベトナム料理の発祥地ともされ、伝統的な料理が豊富に楽しめる街です。ベトナムの国民食フォーや、ベトナム版つけ麺のブンチャーは炭火焼きの豚肉と米麺を甘酸っぱいタレに浸して食べるのが絶品です。
観光を楽しむなら?ダナンとハノイの魅力を比較!
ダナンの人気観光スポット
ミーケビーチやノンヌォックビーチでは、波が穏やかな日が多く、マリンスポーツを楽しむのに絶好の場所です。パラセーリングやバナナボート、シュノーケリング、ジェットスキーなど、多彩なアクティビティを存分に楽しむことができます。
壮大な自然景観やユニークな観光スポットが数多くあります。中でも、山の上に広がるテーマパークのバナヒルズは、中世フランスの街並みを再現した場所で、神の手と呼ばれる壮大なゴールデンブリッジをはじめ、美しい庭園やアミューズメント施設は見逃せません。
自然を感じたいなら五行山もおすすめです。石灰岩と大理石で形成された5つの山が連なり、山中には仏像や浮き彫りで作られた彫刻が点在しています。山頂からはダナン市内を一望でき、神秘的な雰囲気が漂う観光名所です。
夜のダナンを楽しむなら、ドラゴンブリッジは外せません。全長666メートルの橋には巨大な龍がデザインされており、週末には炎や水を噴き出すショーが開催されます。ライトアップされた橋の姿は幻想的で、写真映えするスポットとしても人気です。
ハノイの人気観光スポット
ベトナムの政治・文化の中心地であり、歴史的な建造物や文化財が数多く残っています。フランス植民地時代の影響を受けたオペラハウスや大教会、中国文化の影響が色濃い文廟や一柱寺など、東西の文化が融合した独特の景観が特徴です。
ベトナム戦争の歴史に興味があるなら、ホアロ監獄博物館もおすすめです。フランス植民地時代から存在するこの監獄は、戦時中にはアメリカ軍の捕虜収容施設として使用されていました。展示にはリアルな人形や当時の写真が並び、戦争の悲惨さを伝えています。
ハノイの政治と歴史の中心地であるバーディン広場も見逃せません。この広場はベトナム独立宣言が行われた場所で、周辺にはホーチミン廟や一柱寺などの重要な建造物があります。
また、都市の喧騒を離れてリラックスしたいなら、西湖(ホー・タイ湖)が最適です。ハノイ最大の湖で、周囲にはカフェやレストランが点在し、ゆったりとした雰囲気の中で過ごすことができます。
滞在費用と物価の比較
ベトナム旅行を計画する際、滞在費用は重要なポイントのひとつです。ダナンとハノイでは、宿泊費や食事代、交通費にどのような違いがあるのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。
宿泊費の相場をチェック
ダナンの宿泊費は、シティホテルなら1泊6,000円から1万円程度、オーシャンビューのホテルでは1万円から3万円、高級リゾートホテルになると3万円から8万円ほどかかります。ビーチ沿いの洗練されたヴィラで、プールやスパを楽しめます。
ハノイの宿泊費は、シティーホテルは、都市部の便利な場所に位置しており、スタンダードホテルよりもやや価格が高めで、1万円から数万円程度が一般的です。レストランやバー、フィットネスジムなど、充実した施設が整っています。
また、高級リゾートホテルになると、価格帯は2万円から10万円以上となり、さらにラグジュアリーな滞在が楽しめます。
食事&交通費の目安
ダナンでは、一般的な夕食の費用は1,000円程度ですが、観光客向けのシーフードレストランなどを利用する場合、1食あたり2,000円から3,000円ほどかかることがあります。一方で、地元の人々が通う食堂では1,000円もあれば地元の料理を十分に楽しむことができ、コストパフォーマンスも抜群です。
ハノイでは、地元の人々が通う食堂や屋台では、1食あたり500円で、フォーやバインミーなどを楽しめます。カジュアルなレストランでは、1食900円から1,800円です。観光地の高級レストランでは、1食約3,600円以上で、豪華な料理や特別な体験を提供しています。
交通費に関しても、ダナンとハノイでは違いがあります。
ダナンは、空港から市内までの移動はタクシーで約600円ほどで済みますが、観光スポットが市内から離れているため、タクシーや配車アプリのGrabを頻繁に利用することになり、移動費がやや高くなります。例えば、バナヒルズへ移動する際には、片道で約3,000円ほどかかります。
ハノイは観光地が中心部に密集している一方で、市全体の面積が広く、エリア間の移動にはタクシーやバイクタクシーを利用するのが一般的です。特に、旧市街やホアンキエム湖周辺は徒歩で観光しやすいエリアですが、その他の10kmほど離れた観光地へ行く場合、タクシー料金は片道約1,000円かかります。
また、ハノイの空港から市内までは車で約40分、タクシー料金は2,500円ほどかかるため、ホテルを選ぶ際には立地も重要なポイントになります。
安全に旅行するために!治安&注意点
ダナンとハノイは、ベトナム国内では比較的治安が良い都市とされていますが、観光客が狙われやすい軽犯罪には十分注意する必要があります。ここでは、それぞれの都市の治安状況や、安全に過ごすためのポイントについて解説します。
ダナンとハノイの治安状況は?
ベトナムの治安は比較的良好で、基本的な防犯対策を心がければ安心して旅行を楽しめます。昼間は観光しやすい環境ですが、スリやひったくりなどの軽犯罪には注意が必要です。特に観光地や市場、ナイトマーケットでは貴重品をしっかり管理しましょう。
また、高価なスマートフォンやバッグは盗難の対象になりやすいため、人混みでは特に気をつけることが大切です。ダナンやハノイの繁華街では、夜になると酔っ払いが増えるため、女性の一人歩きは避けたほうが安全です。
さらに、道路を渡る際は十分に注意しましょう。車やバイクが多いため、特に信号のない場所では急な横断は避け、慎重に渡りましょう。
ダナン vs ハノイ、どちらがあなた向き?
ベトナム旅行を計画する際、ダナンとハノイのどちらを選ぶかは悩むポイントです。本記事では、地理、アクセス、気候、観光スポット、物価、治安などさまざまな視点から両都市を比較しました。
ダナンは、美しいビーチやリゾートホテルが整い、のんびりとした時間を楽しみたい人にぴったりの場所です。温暖な気候と清潔な街並みも魅力で、リゾート気分を存分に味わいたい方には最適な選択肢と言えるでしょう。
一方、ハノイはベトナムの歴史や文化を深く体験したい人におすすめです。旧市街の趣ある街並みや、伝統的なベトナム料理、歴史的な建造物が点在しており、過去と現在を感じられる場所です。活気あるカフェや市場巡りを楽しみたい方にとって、ハノイは魅力的な滞在先となるでしょう。
実際に両都市を訪れた筆者は、最終的にダナンを選び、暮らし始めて2年目になります。その理由は、ダナンの穏やかなリゾートの雰囲気と暖かい地元の人々、そしてゆったりとした生活環境にあります。
早朝、ビーチでSUPをしながら朝日を眺めて1日を始めるという生活は大変贅沢で、心地よい時間が流れます。都市としての発展が進んでいるものの、どこか日本の昭和を感じさせるような、温かみのある人々がとても魅力的です。
ぜひ自分に合った場所を選んで、ベトナム旅行を存分に楽しんでください。