ベトナム料理についてくる“香草”の正体とは?よく出るハーブを解説

ベトナム料理を注文すると、一緒についてくる大量の葉っぱ。「これ全部食べるの?」「なんの草?」と思ったことがある人も多いはずです。ベトナムに初めて来られた方からは、香草をサラダと勘違いしたり、どうやって食べればいいのかわからなくて、困ったりしたといった話を聞くことが多いです。そこで今回は、ベトナム料理でよく見かけるハーブの種類や特徴、食べ方までわかりやすく紹介します。 

ベトナム料理にハーブが多い理由 

ハーブの生育に適した気候と風土

ベトナムは熱帯モンスーン気候に属し、高温多湿な環境です。この気候条件は、多様なハーブの生育に非常に適しています。一年を通して様々な種類のハーブが手に入るため、新鮮なハーブを日常的に利用する文化が根付きました。特に、メコンデルタ地域は肥沃な土地と豊富な水資源に恵まれ、多種多様なハーブが栽培されています。

食欲を促す

暑さで食欲が落ちやすい環境では、香りの強いハーブが食事を助け、ミント・パクチー・バジルなどの清涼感は、暑い中でも食べやすさを保つ役割があります。

健康への意識

ベトナムでは、伝統的にハーブは薬草としても利用されてきました。多くのハーブは、抗酸化作用や消化促進作用、抗菌作用など、様々な薬効を持つと考えられています。そのため、日々の食事にハーブを取り入れることは、健康維持に繋がると考えられています。例えば、ドクダミは解毒作用があると言われ、ニキビや肌荒れにも効果があるとされています。

五味の調和

ベトナム料理は、「甘味」「酸味」「苦味」「塩味」「うま味」という五味の調和を重視しています。ハーブは、これらの五味をバランス良く引き出すために重要な役割を果たし、味が単調になるのを防ぎます。

よく出てくるベトナムハーブの種類

基本的に、どんな香草が出てくるかはお店や料理によって異なります。また、「香草盛り」のように数種類のハーブが一皿にまとめて提供されることが多いです。以下では、ベトナム料理でよく使われる主なハーブを紹介します。

パクチー(Rau mùi ) 

味:爽やかで独特な香り。

効果:消化促進、口臭ケア、リラックス作用

形:細かくギザギザした葉。茎は細め

使われる料理:フォー、生春巻き、バインミー、サラダ 

フォー – Danang Holic  春巻き (ゴイクオン) バインミー – Danang Holic 

日本人は苦手な人が多い。ベトナム料理には欠かせない、最もメジャーな香草。

スペアミント(Húng bạc hà )

味:甘く爽やかで清涼感が強い

効果:口の中をさっぱりさせる、リフレッシュ、消化促進

形:明るい緑色で丸みのあるギザギザ葉

使われる料理:生春巻き、ドリンク、香草盛り

春巻き (ゴイクオン)

日本のものより甘みがある。

オリエンタルバジル(Húng quế )

味:甘い香りとアニスのような風味

効果:リフレッシュ、抗酸化作用

形:先が尖った葉。紫色の茎や花が特徴

使われる料理:フォー、ブンボーフエ、肉料理

フォー – Danang Holic ブン・ボーフエ – Danang Holic  

個人的には、食感と香りが一番好き。比較的食べやすい。茎は少し硬いので葉っぱだけちぎって入れるのがおすすめ。

ドクダミ(Diếp cá) 

味:苦くてクセが強い

効果:デトックス、利尿作用、抗炎症作用

形:ハート型の葉

使われる料理:香草盛り、薬膳系料理、生野菜セット

香草の中で日本人気ワースト1位。ベトナム人でも好き嫌いが激しく分かれる。

ベトナム人スタッフによると、スープにして食べるとおいしいらしい。

リモノフィラ(Ngò om) 

味:レモンっぽさとクミン系の香り

効果:消化サポート、身体を冷やす

形:ふわっと細かい葉が広がる

使われる料理:魚スープ、酸っぱいスープ(カインチュア)

シソ(Tía tô)

味:爽やか

効果:食欲増進、抗菌作用、身体を温める

形:表が緑、裏が紫のギザギザ葉

使われる料理:ブンチャー、フォー、生春巻き、香草盛り

ブン・チャー – Danang Holic  フォー – Danang Holic 

日本のシソとは味が異なり、苦みや匂いが強い。

香草はどうやって食べる?

基本的には、出てきた香草を手でちぎって、自分の好きなタイミングで好きな量を料理に入れて食べます。最初から全部入れる人もいれば、少しずつ味を変えながら楽しむ人もいます。フォーやブンチャーなどのスープ料理に入れたり、生春巻きに巻いたり、そのまま肉と一緒に食べたりと、食べ方はかなり自由です。 

苦手でも大丈夫?

現地の人も、自分の好みに合わせて香草の量を調整しながら食べています。全部入れる必要はなく、好きなものだけ選んでOKです。逆に、もっと香草が欲しい場合は、無料で追加をお願いできるお店も多くあります。 

パクチー抜きは頼める?

パクチーが苦手な場合は、注文時に「No coriander(ノー コリアンダー)」と伝えればOKです。観光地エリアや外国人向けのお店では英語が通じることも多く、気軽にお願いできます。パクチーが苦手な方は、パクチーはほとんど全部のベトナム料理に入っていると考えて、あらかじめ確認するのが良いと思います。

日本人の私がおすすめする、ベトナム香草の楽しみ方

日本では香草を食べる機会がそこまで多くないため、最初は苦手に感じる方も少なくありません。実際に私自身も、最初は独特の香りに驚き、「これは食べられないかも・・・」と思っていました。ですが、少しずつ食べ慣れていくうちに、今では「この香りがないと物足りない!」と感じるほどハマっています。

特におすすめなのが、フォーなど温かい料理に入れて食べる方法です。熱を通すことで香りが少しやわらぎ、日本人でも比較的食べやすく感じました。最初から全部の香草に挑戦するのではなく、「これは食べやすいかも」と思うものから少しずつ試していくのがおすすめです。

また、組み合わせる香草によって料理の味や印象が大きく変わるのも、ベトナム料理の面白さのひとつ。同じフォーでも、入れるハーブによって爽やかさが増したり、より濃厚に感じたりと、味の変化を楽しむことができます。

ベトナム旅行では“香草文化”も楽しんでみよう

以上、ベトナム料理によく出てくる香草についての解説でした。
ベトナムでは、香草は単なる添え物ではなく、料理の味を完成させる大切な存在です。最初は「クセが強い」「食べ慣れない」と感じるかもしれませんが、少しずつ試していくうちに、自分のお気に入りが見つかるのもベトナム料理の面白さのひとつです。ぜひベトナム旅行では、料理だけでなく“香草を選ぶ楽しさ”にも挑戦してみてください。

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