フエの建造物群:ベトナムの古代都市の魅力的な遺産と見どころを解説

ベトナムで初めて世界遺産に指定された「フエの建造物群」。昔ながらのベトナムの風景を残す街、古都フエにある人気の観光地です。

フエは街の中心部を流れるフォーン川を挟んで旧市街・新市街に分かれ、古都とリゾートの両方が楽しめる観光地として近年人気が高まっています。今回は、そんな観光地フエの代表的なスポットである「フエの建造物群」についてご紹介します。

ベトナム初の世界遺産・フエの建造物群とは?

ベトナム初の世界遺産がある「フエ」とは、どのような街なのでしょうか?ベトナムの人気観光地「ダナン」からのアクセスも良いフエは、日本からも行きやすいおすすめの観光地です。

フエの人気スポット「フエの建造物群」が世界遺産に登録された理由や、おすすめの巡り方、観光時の注意点をまとめてご紹介します。

「フエの建造物群」のある街・フエの基本情報

■フエってどんな街?

フエは、南北に細長い形をしたベトナムの真ん中にあたる中部に位置します。19~20世紀半ばまで、13代にわたる皇帝が約150年統治したベトナム最後の王朝、グエン朝の都として栄え、政治・文化・宗教の中心でした。歴史的な建造物が多く残るフエは「ベトナムの京都」とも呼ばれています。

フエの街は穏やかに流れるフォン川を挟んで旧市街と新市街に分かれ、河畔に沿って王宮や歴代皇帝の帝廟が点在しています。旧市街では、グエン朝時代の面影を色濃くのこす穏やかな街並みが楽しめます。新市街は、フエ駅や高級ホテル、レストラン、バーなどが立ち並ぶツーリストエリアとして開発が進むエリアです。

■アクセス

フエ観光の拠点として人気なのが、同じ中部にあるリゾート観光地「ダナン」です。フエはダナンから100㎞ほど北西に位置し、車や鉄道で2時間半ほど。ダナンからは、フエ観光に便利なツーリストバスが運行しています。ベトナム中部観光を満喫したい方は、ツーリストバスを利用して2都市間を行き来するのが便利です。

■「フエの建造物群」観光時の注意点

フエ観光で遺跡を見学する際には、服装の規定に注意が必要です。2017年から、露出度の高い服装での各遺跡への入場が禁止されました。ショートパンツやキャミソール、ミニスカートなどの露出の多い服装では遺跡に入れないため、気をつけてください。遺跡群を訪れる際には、ジーンズやロングスカートを着用する、上着を羽織るなどして肌を見せないような服装を心がけましょう。

グエン朝の栄華を今に伝える世界遺産「フエの建造物群」

1993年に世界文化遺産に登録された「フエの建造物群」は、ベトナム初の世界遺産です。フエの建造物群に登録されているのは、旧市街にある城壁内の王宮や、城壁外の皇帝の帝廟、競技場などの歴史的に価値のある遺跡ばかりです。「建造物群」の名前の通り、1つの建物だけが登録されているわけではなく、フエ市内に点在する多くの遺跡がまとめて世界遺産として登録されています。

フエの建造物群が世界遺産に登録された理由は、特徴的な建築様式にあります。フエの建造物群は、清朝の建築様式をベースにしながらも、ヨーロッパのバロック建築やベトナムの伝統建築との調和がみられます。他国との文化的関わりや、複数の建築様式が融合した芸術的にも価値の高い貴重な建築物であることが評価されました。

フエの構造物群は旧市街と新市街にまたがり広く点在しているため、ツアーやボートクルーズに参加して効率よく周遊するのがおすすめです。

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ダナン旅行のサポーター「ウエンちゃん」

世界遺産「フエの構造物群」で見逃せない!おすすめの遺跡7選

「フエの構造物群」に登録されている中で、ぜひ足を運んでほしいおすすめの遺跡を7つご紹介します。

フエの建造物群として登録されている遺跡は数が多く、1日では見て回れないほどです。今回は、その中でも人気が高く見逃せない有名な遺跡や、穴場的スポットをピックアップしてご紹介します。

グエン朝王宮

フエ市内の中心に位置し、「フエの構造物群」の代表的な観光スポットです。13代にわたって栄えた歴代皇帝の居住地で、中国の紫禁城を模して建てられました。

周囲2.5㎞の城壁に囲まれた広大な王宮は、15以上の構造物が含まれる複合建築物で、見学には1時間半~2時間以上かかります。宮廷内には、グエン王朝の印鑑の置かれた「五鳳凰樓」や、朱色で塗られた美しい「回廊」、世界無形文化遺産に登録された宮廷音楽と舞踊が鑑賞できる「宮廷劇場」など、見どころがたくさん揃っています。歩き疲れたら一息入れられるカフェもあるので、ゆっくり時間をかけて観光するのもおすすめです。

ティエン・ムー寺

フォーン川のほとりにある小高い丘の上に立っています。1601年に建立され、400年以上の歴史をもつフエで一番古いお寺です。天女の予言によって皇帝が建立したという言い伝えがあり、「天女の寺」という意味の「ティエン・ムー寺」と名付けられました。

美しい八角形七層のトウニャン塔と庭園、穏やかなフォーン川の風景が楽しめる人気のスポットです。トウニャン塔はフエのシンボルとして広く親しまれており、土産物のモチーフとしても愛されています。

トゥ・ドゥック帝廟

グエン朝の4代皇帝トゥドゥック帝をまつる帝廟です。旧市街から5㎞ほど南の、狭い谷の合間に位置しています。

もともとは皇帝の存命中に別荘として使われていた建物で、帝廟内には釣りができる大きな蓮池があります。詩を愛し、博識でロマンチックだったと伝えられているトゥドゥック帝らしい、自然との調和を大切にした美しい公園のような帝廟です。

ミンマン帝廟

フエの中心街から車で20分ほど南下したところにある、2代皇帝ミンマン帝の帝廟です。緑豊かな「美しい楽園」と称され、フエの中でも人気の観光地です。

儒教的思想を重んじていたミンマン帝の帝廟は、中国風の建築様式でつくられています。フエで見学できる帝廟の中ではかなり広い敷地を有し、周囲1.7㎞の城壁に囲まれています。寝殿や陵墓、美しい庭園が広がる敷地内は、落ち着いた寺院のような雰囲気に満ちています。ミンマン帝廟内を一通り見てまわると1時間ほどかかります。

カイディン帝廟

ミンマン帝廟の近くには、グエン朝の12代皇帝カイディン帝をまつるカイディン帝廟があります。派手好きで無宗教だったと伝えられるカイディン帝の廟では、ヨーロッパの近代建築とベトナムの古典建築が混ざりあった特徴的な建築様式がみられます。

カイディン帝廟の見どころは、カイディン帝の等身大の像が置かれた部屋です。天井はヨーロッパの宮殿のようなきらびやかな装飾が施され、壁にはカラフルな陶器やガラスの破片で描いた動植物の模様が描かれています。落ち着いた古都フエの中では異色ともいえる、派手好きのカイディン帝らしい華やかな帝廟です。

ホンチェン殿

フォーン川のほとりにある丘の中腹に位置する礼拝殿です。フエ市内からは、乗船場からドラゴンボートに乗って観光に向かうのがおすすめです。もともとは先住のチャム族の女神を祀る寺院でしたが、現在はベトナムの神々も含めた多くの神々を信仰する場になっています。

ホンチェン殿は、写真映えする美しい建築と、絵になる景色が楽しめる人気のスポットです。毎年3月と7月には、16世紀から続く伝統的なお祭りが開催されます。期間中には伝統衣装のアオザイを着た参拝客の踊りがみられ、毎年多くの観光客が訪れる賑やかなお祭りです。

虎園(円形競技場)

1830年に建設された円形競技場です。虎と象を戦わせるために使用されていた競技場で、グエン朝にも古代ローマのコロッセウムのような文化があったことを伺わせる遺跡になっています。

2階建ての競技場は直径約20mほどの、レンガ造りの小さな建物です。現在は、壁の劣化がすすんでいるため内部に立ち入ることはできませんが、外から虎園を見学できます。フォーン川の近くにある穴場的スポットで、河畔沿いを散策しながらの観光におすすめです。

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貴重な文化的遺産「フエの建造物群」でベトナムの歴史を辿る大人旅を

今回は、ベトナムの古都フエにある世界遺産「フエの建造物群」についてご紹介しました。フエには歴史的に貴重な建築物や、遺跡が数多く残っています。旧市街の王宮や、郊外に点在する帝廟をスムーズに観光するには、効率よく巡れるコースが設定されたツアーやボートクルーズの利用が便利です。歴史の古い街らしく、ゆったりとした時間が流れるフエで、グエン朝時代の遺跡を巡りながら歴史に想いをはせる大人旅をしてみませんか?

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