【2024】ベトナム中部ホイアンの歴史観光スポット8選!歴史好きなら抑えたい豆知識や名物料理も大公開

ベトナム3大都市のひとつに数えられる中部の人気都市「ダナン」から、タクシーやシャトルバスで約40分ほどの場所にある世界遺産で有名な「ホイアン」をご存じですか?ランタン祭りでも知られている小さな街ですが、実は遠い昔日本との交易もあった歴史深い街なのです。

こちらではそんな「ホイアン」を訪れる前に知っておきたい激動の歴史と、ダナンホリックがオススメする観光スポットをご紹介します。

目次

日本との交易を含む、貿易で栄えた街「ホイアン」

「ホイアン」は15世紀~17世紀に貿易港として栄えた港町。当時栄華を誇っていた「チャンパ王国(2世紀末~17世紀頃、チャム族がベトナム中部に作ったヒンドゥー教信仰の国)」が貿易港として作ったことが始まりと言われています。「ホイアン」の所在地である現在の「クアンナム省」は、海辺とトゥボン川の河口があり貿易港として適した場所でした。また、この地でポルトガル・オランダなどのヨーロッパや、中国や日本といったアジアなど様々な国との交易が盛んに行われました。

当時江戸時代だった日本とは16世紀頃から正式な国交が結ばれ、「朱印船(朱印状と呼ばれる海外渡航の許可証を持った船)」が往来。江戸幕府が鎖国をするまでの約30年間ほど日本との交易は続き、その間に多くの日本人が移り住みました。約100世帯が住む「日本人街」と呼ばれるエリアが生まれ、当時友好の証として日本の建築技法を用いて作られた「遠来橋(日本橋)」は今も史跡として遺されています。

各国との貿易によって栄華を誇った「ホイアン」ですが、17世紀後半には日本の鎖国やトゥボン川の川底上昇(大型船の往来が不可能)、中国との取引の減少など様々な要因によって衰退の一途を辿りました。しかしベトナム戦争の戦火を逃れ当時の様子を残し続けたことにより、現在は世界遺産の街となり観光客を集めています。

人気観光スポット① ホイアンに今も残る日本人の痕跡「日本橋」

「ホイアン」を訪れる多くの観光客が立ち寄る人気スポット「日本橋(正式名所・遠来橋)」。貿易港として日本と取引があったことや、当時多くの日本人が「ホイアン」に移り住んだ証明にもなっている歴史的な建築物です。

老朽化の対策として行われてきた修復工事は2023年には8回目となり、橋全体が工事対象となっていました。また、1593年に建設されたと伝わる「日本橋」ですが、実は今に残る「日本橋」は1817年に再建されたものといわれています。

美しく施された装飾だけでなく地震対策として頑丈に作られたという点も、地震大国生まれの日本人らしい注目ポイントです。「日本橋」は夜になるとライトアップされるので、昼とは違う幻想的な姿を見ることができおすすめです。

日本橋以外にも絶対行きたいホイアンの有名観光スポット

「ホイアン」には「日本橋」以外にも、当時の雰囲気をそのまま残した歴史的スポットが数多く残されています。当時移り住んだ中国人商人たちが作り上げた「福建会館」や、古くから残る「ホイアン市場」も要チェック。歴史を感じるスポットを渡り歩いて昔の「ホイアン」を追体験してみてはいかがでしょうか。

人気観光スポット② 200年前から引き継がれる貿易商人の旧家「フーンフンの家」

「ホイアン旧市街」のエリアに建つ貿易商人の旧家「フーンフンの家」は、現在8代目の当主が引き継いでいる今に続く歴史的スポット。「ホイアン」を紹介する記事には必ずと言っていいほど登場するほど人気がある場所でもあります。

この旧家が注目される最大のポイントは、中国(柱)・日本(屋根)・ベトナム(壁)と3か国の建築様式が取り入れられた独特な建物であること。そして、貴重な建物が当時の姿のまま現在まで保たれていること。異なる国の技術が共存している姿は、貿易の街「ホイアン」にあるこの家ならではといえるでしょう。

また、「フーンフンの家」は旧市街にあるどの旧家より美しいと言われています。印象的な黒塗りの外観をした家からは、長い年月街を見守ってきたどこか荘厳な雰囲気が感じられます。

人気観光スポット③ 故郷に思いをはせる中国人たちの集会場「福建会館」

日本でも耳にすることのある「福建会館」は、現地に住む中国人の集会場。当時「ホイアン」に移り住んだ中国人たちによって17世紀頃に作られました。とても派手な外観で道行く人の視線を集めていますが、実は現役の建物でもあります。

貿易商人が多く住んでいたこともあり、「福建会館」には最上位の神であり航海の守り神「天后聖母(媽祖)」が祀られています。信仰と共に、故郷を遠く離れて暮らす同郷の者たちを繋ぐ大切な場所でした。

ピンクの門をくぐり抜けた先には小さな庭園が現れ、祭壇のある建物には数多くの渦巻き線香が天井から下げられています。中国の雰囲気を感じながらもどこか異なる穏やか空間のなかで、当時の中国人たちは遠い故郷に思いを馳せていたのでしょうか。

人気観光スポット④ 当時のホイアンにタイムスリップ!「ホイアン民俗博物館」

出典:Hoi An Museum

「ホイアン」の歴史をより深く知りたい方には「ホイアン民俗博物館」がおすすめです。あまり有名ではありませんが、趣のあるベトナムの古民家風な建物が印象的で「ホイアン」に根付く文化やその歴史について多数の展示物から学ぶことができます。

こちらの博物館では人物を模した模型・当時の衣装・機織り機など、言葉が無くても理解できる展示が多く用意されているので、ベトナム語や英語の解説が分からなくても安心です。また、日本との交流を伝える絵画も展示されているので訪問の際は要チェックです。

建物は2階建てになっていて、1階には小物やシルクのスカーフなどが購入できるお土産屋さんも併設されているので観光スポットとしての魅力も十分。現在もベトナムで使われている「ノンラー(円錐状の帽子)」も見ることができ、過去が現在に続いている様子を体感できます。

人気観光スポット⑤ 昔から続くベトナム人の日々の営みを知る「ホイアン市場」

観光スポットとしても知られ、「ホイアン」に住む現地の方も利用している「ホイアン市場」。古くから続くこの市場は、観光客向けの品物ではなく現地の方の生活に必要な物を数多く取り揃えています。そのため「ホイアン」のリアルな世界を覗くことができる貴重なスポットです。

黄色い壁に三角屋根が印象的です。屋内に入ると食べ物や衣料品のお店だけでなく、フードコートのような食事処が現れます。「ホイアン」に来たら食べておきたいご当地グルメ「カオラウ」・「ホワイトローズ」・「ミークアン」なども販売されていて、地元の方向けの市場のためお値段も良心的です。

屋外にある数多くのお店では果物などの生鮮食品が販売されていて、日本では見る事のない珍しい食品を見ることができます。また朝市も行われていて、その様子には古くから変わらず続く「ホイアン」の日常が感じられます。

幻想的な雰囲気が漂う夜のホイアンを満喫

無数のランタンが趣のある古い建物を優しく照らす「ホイアン」の夜。町全体が神秘的な雰囲気に包まれ、ベトナム中部を訪れたら一度は立ち寄ってほしいほど、美しく活気に満ちた姿を見ることができます。

こちらではそんな「ホイアン」の夜を思いっきり満喫できる3つのおすすめ観光スポットをご紹介します。旅のプランを計画中の方はぜひご覧ください。

人気観光スポット⑥ 古い街並みが輝くホイアン「ナイトマーケット」

日が沈む頃から徐々に活気が満ちていく「アンホイ橋」を渡った先、「ナイトマーケット」はそこで開催されます。数えきれないほどのランタンに灯りが灯され、カラフルにぼんやりと光る姿は美しく幻想的です。

歴史を感じる建物が連なる「ホイアン」だからこそ際立つ魅力に、ウェディングフォトを撮る為に新婚夫婦やカップルも多く訪れているようです。辺りにはたくさんの出店が並び、雑貨や調度品が販売されています。高値で購入しないよう価格交渉も楽しみましょう。

また食事を楽しめる屋台が立ち並ぶ場所もあり、クレープやフランクフルトなど各国の定番グルメはもちろん、ベトナムを感じる海鮮料理などご当地グルメを楽しむこともできます。独特の雰囲気の中でディープな夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。

人気観光スポット⑦ 故人を追悼し邪気を払う美しき「ランタン祭り」

「ホイアン」で月に1度旧暦の14日に行われている「ランタン祭り」は、故人を弔い邪気を払う行事です。町おこしのひとつとして1998年にイベントとして開催したことから、観光客にも広く知られることとなりました。

古くは貿易の街であった「ホイアン」には、外国から入ってきたものが文化として根付いた

ケースが多くあります。今では有名となっているランタンも起源説のひとつでは、ランタンを軒先に吊るす文化がある中国から輸入され、「ホイアン」でアレンジされたものが今に続いているとされています。

祭りの間はどこを歩いても綺麗なランタンを見ることができますが、「グエン・タイ・ホック通り(Nguyen Thai Hoc street)」では落ち着いた雰囲気の中で買い物を楽しめます。反対に「チャンフー通り(Tran Phu street)」では活気に満ちた街の様子を見ることができます。

人気観光スポット⑧ ホイアンに来たら外せない「ボート乗り体験&灯籠流し」

幻想的な雰囲気の中でより忘れられない体験をしたい方には「ボート乗り」や「灯篭流し」がおすすめです。遠い昔に盛んな貿易が行われていたトゥボン川からは、ランタンで輝く美しい旧市街をながめることができます。

「ボート乗り」はそんなトゥボン川の上を進んでいくので、地上からは見ることができない姿を楽しめるアクティビティです。手漕ぎボートの場合は1人約10万vnd(約580円)・2人20万vnd(約1,160円)ほどが目安となっています。高額を提示してくる船頭さんも中にはいるので気を付けましょう。

また、ボートに乗る前に1万vnd(約58円)~1.5万vnd(約87円)で灯篭を購入しておくと、「灯篭流し」一緒に体験することもできます。願いを込めて光が反射する川に灯篭を流す体験は「ホイアン」の醍醐味かもしれません。

ホイアンならではの食文化体験!歴史的なホイアン3大名物料理

せっかく「ホイアン」を訪れたらここでしか味わえないご当地グルメを堪能してみませんか?ベトナムの中でも「ホイアン」の料理は日本人の舌にも合うと言われていて、中には日本にルーツを持つ名物もあります。

長い年月を掛けてベトナム・中国・日本の食文化が見事に融合した「ホイアン」3大名物をひとつずつご紹介します。

ホイアン三代名物① 「伊勢うどん」にルーツを持つ甘辛い麺料理「カオラウ(Cao Lau)」

うどんに似た米粉の麺を少量のソースに絡めて、野菜やお肉と一緒に食べる「カオラウ(Cao Lau)」。甘辛い味付けが日本人にとって馴染みやすい、「ホイアン」でも人気のご当地グルメです。

「カオラウ」ならではの風味と歯ごたえを持つ麺に、コチュジャンベースの「カオラウソース」がべストマッチ。さらに、たくさんの野菜と一緒に盛り付けられたチャーシューは香草やスパイスで味付けされていて美味しいうえに満足度を底上げしてくれます。

また、揚げたライスペーパーがトッピングされているものもあり、パリパリした食感を楽しむこともできます。ルーツが日本の「伊勢うどん」とされていることもあり、あまり外国の味が得意ではない方でもチャレンジしやすい一品です。

ホイアン三代名物② 美しき蒸し餃子「ホワイトローズ(White Rose)」

日本でも大人気の餃子に似た名物料理が「ホイアン」にあることをご存じですか?「ホワイトローズ」はまるでバラのような形をした蒸し餃子。日本の餃子と異なり、包まれている餡はエビのすり身や野菜、皮は米粉で作られています。

もちもちとした食感とエビの香りは広がる独特の風味は日本では味わえない一品です。また「ホワイトローズ」はベトナム特産の魚醤である「ヌクマム」という調味料につけて食べるので、より濃厚なベトナムの味を堪能できます。

また、現在この「ホワイトローズ」を出しているお店は「ホイアン」にたくさんありますが、そのほとんどが本家である「White Rose Restaurant(ホワイトローズレストラン)」で作られています。

ホイアン三代名物③ サックサクなご当地グルメ「揚げワンタン(Hoan Thanh Chien)」

食感が楽しい「揚げワンタン」は、パリパリに揚げたワンタンの上に野菜・お肉・エビのすり身などが乗っている名物料理。トッピングはもちろん、ワンタンの揚げ具合などもお店によって変わるので、異なった美味しさを味わう食べ歩きもおすすめです。

お店によっては甘酸っぱいソースがかかっていたり、「ホワイトローズ」のようにベトナムの魚醤「ヌクマム」を使った「ヌクマムソース」をつけて食べる場合もあります。揚げてあるワンタンは食感も良くパクパクと食べられますが、ボリュームはしっかりあります。

小腹が空いたときにおやつ代わりに食べるも良し、夕飯時のしっかりディナーとしても良し。上記2種の名物グルメ同様に「揚げワンタン」も「ホイアン」でしか堪能できない豊かな味わいを楽しむことができます。

どこを見ても歴史が残る「ホイアン」で時間を超えた旅をしよう

様々な遺産が壊されたベトナム戦争の戦火も逃れ、その古い町並みを今に残し続けている稀有な都市「ホイアン」。「チャンパ王国」の港町として誕生し、多くの文化や人を受け入れてきました。そのため中国人や日本人が作った建物も残されている不思議な都市です。

引き継がれている文化の中に日本がルーツと言われるものもあるので、日本人としてどこか親しみやすい部分もあるかもしれません。「ダナン」からタクシーで約1時間、昔のベトナムを旅してみてはいかがでしょうか。

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